日本証券業協会が2026年2月に公表した「新NISA開始後の利用動向に関する調査(調査結果概要)」によると、2025年に少額投資非課税制度(NISA)のつみたて投資枠で購入された銘柄タイプは、「全世界株式(日本を含む)・インデックス型」が34.2%で最も多く、「米国株式・インデックス型」が24.0%、「全世界株式(日本を除く)・インデックス型」が15.6%でした。全世界株式型を合わせると49.8%になります。ただし、この49.8%は「NISA利用者の約半分がオルカンを保有している」という意味ではありません。調査では回答者が挙げた上位5銘柄を集計しており、延べ購入銘柄数に占める割合です。また、日本を除く全世界株式インデックスは、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とは投資対象が異なります。統計は便利ですが、母数を雑に扱うと急に別の話になります。それでも、全世界株式インデックスファンドが日本の個人投資家にとって、かなり標準的な投資先になってきたことを示すデータだと思います。これは個人的には非常に良い変化です。
ブームじゃなく定着すれば
全世界株式は、今後どの国や企業が勝つのかを自分で予想する商品ではありません。その時々の世界の株式市場を時価総額に応じて保有し、世界中の企業が生み出す利益や経済成長の恩恵を広く受けようという考え方です。しかも現在は、低い運用管理費用で世界中の株式へ分散できる商品を、NISAを通じて簡単に購入できます。昔なら相当な手間とコストが必要だったことを、個人投資家が一本の投資信託で実現できます。「長期分散低コスト」という資産形成の基本を実践するうえで、非常に使いやすい道具です。
資産配分を守って

一方、「みんなが買っているから大丈夫」「オルカンなら損をしない」と考えるのは全く別の話です。全世界へ分散していても株式である以上、大幅な下落は普通に起こります。人気があることと安全資産であることは、何の関係もありません。だからこそ、受け入れられるリスクの範囲内で投資することが重要です。生活防衛資金や近い将来に使うお金まで株式へ入れる必要はありません。個人向け国債変動10年、MRF、普通預貯金などの無リスク資産を併せ持ち、自分に合った資産配分を守ることが大切です。全世界株式が一時的なブームではなく、仕組みとリスクを理解したうえで長期保有する「普通の選択肢」として日本に定着しているのであれば、かなり望ましいことだと思います。派手な銘柄を探し回らなくても、低コストで世界全体を持ち、自分の生活を優先しながら淡々と続けられる。そこに全世界株式インデックスファンドの一番大きな価値があると思います。

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