eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の基準価額は、7月31日の3万7,521円から8月3日に3万6,824円へ下落し、前日比はマイナス1.86%でした。翌8月4日はプラス1.86%となり、3万7,510円まで戻しました。しかし、7月31日の基準価額より11円低いままです。同じ1.86%下落し、同じ1.86%上昇したのに元へ戻らないのは、計算の土台が違うからです。例えば100から10%下落すると90になります。そこから10%上昇しても99にしかなりません。下落後は元本が小さくなっているため、元へ戻るには下落率より高い上昇率が必要です。10%下落なら必要な上昇率は11.1%、20%下落なら25%、30%下落なら42.9%です。50%下落すると、元へ戻るには100%上昇しなければなりません。今回のオルカンは表示上どちらも1.86%ですが、実際の騰落率は小数点以下で異なり、さらに下落後の低い基準価額を基準に上昇率が計算されるため、完全には戻りません。
レバナスでは強烈に

レバレッジ型商品では、この影響がさらに強く出ます。ここ数年、保有していれば歴史的な利益を得られたレバナスも、日々の値動きに一定倍率を掛けて運用するため、相場が上下を繰り返すとボラティリティ・ドラッグ、いわゆる変動率による複利の目減りが起きやすくなります。単純にNASDAQ100の長期騰落率を2倍した結果にはなりません。レバナスへ投資するなら、上昇相場で利益が大きくなる点だけでなく、下落後の回復に必要な上昇率と、日々の複利計算による経路依存性は絶対に忘れてはいけません。率の数字が同じでも、資産額は同じ場所に戻らない。投資では地味ですが、かなり重要な基本だと思います。もちろん、値動きがあるからオルカンは駄目という話ではありません。株式投資では上下動を避けられません。大きく下落した後に怖くなって売却したり、積み立てを止めたりすると、その後の回復局面を取り逃がす可能性があります。

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