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インデックス×アクティブ

株式投資の心構え
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 こんにちは、でんです。今回は株価指数に連動する成績を目指すインデックスファンドと、ファンドマネジャーが決めた基準で運用するアクティブファンドを比較します。当ブログでは繰り返し米国株と全世界株のインデックスファンドへの投資を勧めています。なぜアクティブファンドを勧めなかったのでしょうか。

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インデックス、アクティブの比較

 インデックスファンドはS&P500指数や全米株価指数、全世界株価指数、先進国株価指数、TOPIXなどの株価指数に連動した成績を目指します。一般に手数料が安く、分散効果が高いです。アクティブファンドはファンドマネジャーが独自の基準で運用し、株価指数にとらわれなかったり、株価指数以上の成績を目指したりします。運用チームが市場分析や銘柄分析などの情報収集をする分、インデックスファンドより手数料が高くなります。特定の業種に集中投資しているケースもあります。

インデックス、アクティブ
インデックスファンドとアクティブファンドの運用のイメージ(「山崎元の❝やってはいけない❞資産運用」より抜粋)

日本の投信、つみたてNISAの現状

 投資信託協会によると、日本の株式投資信託は約5800本あります。(2020年11月現在)近年ではインデックス型が増えてきましたが、依然として大多数がアクティブ型です。一方で国民の長期投資を後押しする目的で金融庁が始めた少額投資非課税制度(つみたてNISA)は対象商品193本のうち、インデックス型投資信託が167本と全対象商品の85%を超えます。金融庁が認めたアクティブ型投資信託はわずか19本で全対象商品の10%未満です。残り7本はインデックス型の上場投資信託(ETF)です。つまり、金融庁が長期投資に適したと認める金融商品の90%以上がインデックスファンドということです。銀行や店舗型証券会社が儲けるためだけにつくられ、投資家に百害あって一利なしと言わざるを得ない毎月分配型投資信託はつみたてNISAから除外対象となっています。(つみたてNISAのデータは2020年12月23日現在)

アクティブファンドは苦戦

 アクティブファンドは全体的にリターンの面で苦戦しています。日本の投資信託事情に精通しているファイナンシャル・ジャーナリスト竹川美奈子氏の著書「はじめての『投資信託』入門」によると、日本で運用されているアクティブファンドの10年間の成績は米国株の88%、グローバル株の95.19%、新興国株の95.45%が対象とする株価指数を下回っています。日本株は比較的善戦していますが、それでも大型株の55.96%、中小型株の63.52%が対象株価指数に負けています。(データは2017年までの10年間)。米国の投資顧問会社や投資銀行などで辣腕をふるったチャールズ・エリス氏の名著「敗者のゲーム」によると、米国の投資信託(引用者注:アクティブファンド)の長期運用実績は16%が市場平均より-2%以下となり、57%が0~-2%となっています。米国アクティブファンドの期間別成績は長期になればなるほど成績が悪化し、50年では市場平均を上回る投資信託はわずか5%でした。ちなみに、市場平均を2%以上上回るリターンを上げたのは2%にすぎません。インデックスファンドと比較対象になるアクティブファンドは生き残ったファンドだけが対象であり、繰り上げ償還(運用終了)されたアクティブファンドを考慮すると成績が一層悪くなると推定されます。

米国の投信長期運用実績
米国の投資信託(引用者注:アクティブファンド)の長期運用実績、米国の投資信託(同)の期間別パフォーマンス。長期になればなるほど市場水準以上のリターンを上げる確率は低下する(「敗者のゲーム」より抜粋)

成績の良いアクティブファンドを見つけても…

 市場平均(対象株価指数)を上回っているアクティブファンドを運よく探し当てたとしても、今後も市場平均を上回るとは限りません。「敗者のゲーム」によると、過去3年間の成績上位4分の1以内に入るアクティブファンドはその後の3年間、上位4分の2以上に残れた割合は45.4%に過ぎませんでした。エリス氏は「(引用者注:アクティブファンドの)過去のデータは将来のパフォーマンスの手がかりとならないことは明らかである」と指摘しています。対照的に運用コストは将来も確実にかかります。インデックスファンドよりも高コストのアクティブファンドは運用コストの差だけ、インデックスファンドに成績が劣りやすいのです。

過去の運用成績別の、その後の3年間の成績順位
アクティブファンドの過去の運用成績別の、その後の3年間の成績順位。過去のデータは将来の成績の手掛かりとはならない(「敗者のゲーム」より抜粋)

アクティブファンド=悪ではない

 当ブログではコストの面や銘柄分散度、多くの専門家の分析結果から売買手数料無料で、信託報酬が安い米国株や全世界株のインデックスファンドを勧めています。ただ、インデックスファンド=善、アクティブファンド=悪と単純に言えるものではないと指摘します。ファンドマネジャーが頻繁に売買を繰り返さず、長期投資を続ける目的で運用しているアクティブファンドは必ずしも悪いとは思いません。信託報酬の高さを考慮しても運用哲学に共感、理解できるならばアクティブファンドに投資するもの一つの選択肢です(信託報酬などの面から積極的には勧めませんが)。実際に米国の投資の神様ウォーレン・バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイ社は投資会社です。バフェット氏の割安で長期投資できる銘柄に投資するという投資哲学で銘柄を選定しているアクティブファンドとも言えます。バフェット氏の投資先の年平均リターンは20%を超え、S&P500指数の平均リターンを大きく上回っています。

 当ブログに来ていただき、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。長期投資を続け、読者の皆様とともに市場に残り続けていきたいです。

 

 

 

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