楽天証券は2026年10月9日、信託報酬0%の投資信託を提供すると発表しました。2027年1月に開始予定の「こどもNISA」専用商品として投入します。10月1日にはSBI証券も、信託報酬0%の全世界株式インデックスファンド「ゼロカン」を発表しており、低コスト競争が新たな段階に入りました。ただし、信託報酬ゼロだからといって、投資信託の運用にかかる費用がすべて無料になるわけではありません。
信託報酬0%でも「隠れコスト」は発生する
投資信託には、信託報酬以外にもさまざまな費用があります。代表的なものは以下の通りです。
- 監査費用:投資信託の財務状況を監査する費用
- 売買委託手数料:株式などを売買する際の費用
- 保管費用:海外の株式などを保管する費用
- その他の費用:信託事務や書類作成などにかかる費用
こうした費用は、投資信託の資産から差し引かれる場合があります。実際、SBIの「ゼロカン」でも、信託報酬とは別に監査費用や売買委託手数料などが発生すると明記されています。つまり、信託報酬0%と実際の運用コスト0%は別物なのです。
総経費率だけでも判断できない
投資信託の実際のコストを比較する際には「総経費率」が参考になります。しかし、総経費率にも売買委託手数料や有価証券取引税などは原則として含まれません。そのため、総経費率が低いからといって、すべての費用が少ないとは限りません。さらに、インデックスファンドでは比較指数との連動性も重要です。信託報酬がゼロでも、売買コストや現金保有などの影響で、指数を下回る成績になる場合があります。実際の運用が始まった後は、総経費率に加えて、指数とファンドのリターンの差も確認することが大切です。
信託報酬ゼロを過大評価する必要はない

現在の低コストインデックスファンドは、すでに信託報酬が年0.05%程度まで下がっています。仮に500万円を運用した場合、年0.05%の信託報酬は年間2,500円です。もちろん、長期間では小さなコスト差も積み重なります。しかし、信託報酬をゼロにするために、投資対象や運用効率を犠牲にしては意味がありません。今回、楽天証券が発表した商品の投資対象や運用会社、その他の費用はまだ明らかになっていません。信託報酬0%は歓迎すべきことですが、それだけで優れた投資信託と判断するのは早計です。今後発表される商品の詳細や実際の運用成績を確認しながら、低コストで安定した運用ができる商品を選びたいと思います。
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