こんにちは、少額投資非課税制度(NISA)のお手本となった英国個人貯蓄口座(ISA)に、年間投資上限額の引き上げ案が浮上しています。ただ、引き上げ分は投資対象を英国企業の株式に限定するという話も付いてきています。日経電子版が19日夕、報じました。交流サイト(SNS)でも、「NISAも日本株式に限定すべき」「外国株式への投資を制限せよ」という一部意見が見受けられました。当ブログはNISAの投資対象を自国株式に限定したり、外国株式への投資を制限または禁じたり、自国株式投資枠を設けたりする案には断固として反対です。政府による自国株式投資に限った優遇措置は、国民の長期の資産形成を目的としたNISAの主旨から真っ向から反します。資産形成は「長期、分散、低コスト」を基本に、リスク許容度の範囲内で時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドに投資をするのが多くの人にとっておおむね合理的です。自国株式のみの投資は分散の観点で特定の国・地域、通貨建てに偏り、世界の株式時価総額から見ても数%にすぎない資産への集中投資となり合理性に欠きます。
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税調も「無理、邪道」と結論
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水瀬氏の該当ポスト
詳しい記事の内容は日経電子版からご覧ください。なお、楽天証券に口座を開設し、取引アプリ「iSPEED」をダウンロードすれば日経テレコンを通じて無料で記事を閲覧できます。記事では、英ISAの自国株式投資限定枠導入案を巡り、スナク英首相が「投資先を政府が誘導していいのか」と慎重な姿勢を見せているとしています。スナク氏の発言は至極まっとうだと判断します。日本では現行のNISA導入を議論していた税制調査会で、税制優遇を自国株式にだけ限定するのは「無理、邪道」と結論付けています。良心をもって、まともに考えたら当然としかいえない結論です。日本のインデックス投資の先駆者で投信ブロガーの水瀬ケンイチ氏は自身のX(旧ツイッター)で、「外国株に投資した日本の投資家は、日本企業が提供できなかったリターンを外国企業から得て、それを日本国内で使う(もしくは国が税として徴収する)」と外国株式への投資が日本の国益になっていると指摘した上で、NISAの外国株式規制には道理が通らないと述べています。さらに、NISAは個人の資産形成促進を目的としており、日本企業支援のための制度でないと強調しています。全面的に水瀬氏の意見に同意します。
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