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オルカン、トレカンに対抗引き下げなし

オルカン表紙 株式投資の心構え
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 こんにちは、低コストで世界中の株式に時価総額通りに投資ができるeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)を運用する三菱UFJ国際投信(三菱AM)は11日、運用管理費(信託報酬)年0.05775%で26日に運用を開始するTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(トレカン)に対抗した信託報酬引き下げをしない考えを示しました。ITmediaが同日、報じました。ITmediaによると、三菱AMはオルカンとトレカンで指数の標章使用料(ライセンスフィー)の取り扱いが異なり、信託報酬水準が公正な比較対象にならないため「現時点では(信託報酬を引き下げて)追随しない方針」としています。当ブログは三菱AMの決断を支持します。両ファンドでライセンスフィーの扱いが違っているため、運用報告書で初めて分かる実質費用(トータルコスト)でどちらが有利かは現時点では判断がつきません。そもそも(ライセンスフィーを含めた)オルカンの信託報酬でも十分に安く、(ライセンスフィーを含めない)トレカンの信託報酬と比較しても誤差レベルの差しかありません。確かに長期間運用すれば信託報酬差も複利で広がりますが、年0.05%程度の差なんて連動指数との誤差(トラッキングエラー)や運用状況によって容易に入れ替わります。筆者はどう考えても誤差だと思います。

ITmediaの該当記事

eMAXIS Slim”オルカン“、Tracers対抗の信託報酬引き下げは行わず 「公正な比較対象とならない」
「Tracersオールカントリーに追随した信託報酬の引き下げは行わない」。競合投資信託である「eMAXIS Slim オールカントリー(全世界)」を運用する三菱UFJ国際投信は、ITmediaの取材に対し、こうコメントした。
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ライセンスフィーを含めた信託報酬のオルカン

トレカン⑥
EDINETより引用
トレカン⑧
EDINETより引用
オルカン信託報酬

 オルカンの現行の信託報酬は年0.1144%以内で、5月11日以降には年0.1133%以内に引き下げられます。そして、オルカンを含めた三菱AMの低コストインデックスファンドシリーズeMAXIS Slim シリーズは信託報酬にライセンスフィーが含まれています。ライセンスフィーは未公開情報ですが、一般に個人向けファンドで年0.03%程度~年0.05%程度とされています。EDINETで公開された有価証券届出書によると、トレカンは信託報酬にライセンスフィーが含まれていません。その他費用に含めるとしています。運用報告書で初めて計上される費用ということです。ライセンスフィーを含めるオルカンとライセンスフィーを含めないトレカンの信託報酬差は現行で年0.05665%以内、5月11日以降で0.05555%以内です。ライセンスフィーを含めるか含めないか程度の差で、トラッキングエラーや運用状況によって容易に入れ替わる差です。あと、目論見書などの作成費や基準価額算定費をオルカンは信託報酬に含めていますが、トレカンはこれらも信託報酬には入れずその他費用に振り分けています。さらに、運用開始当初のトータルコストは運用が安定させるのが大変で負担が大きくなる傾向にあります。その点、オルカンは4月11日現在で純資産総額が上場投資信託(ETF)を除いて国内4位を誇り、純資産総額1兆円を目前にする巨大規模を誇ります。近年はトラッキングエラーも非常に小さく、安定した運用をしています。なお、三菱AMはeMAXIS Slimシリーズに関し「業界最低水準の手数料を将来にわたり目指し続ける」方針に何ら変わりはありません。

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