S&P500は米国を代表する500社へ幅広く分散できる株価指数です。しかし、現在の中身を見ると、かなり一部の巨大企業へ集中しています。S&P Dow Jones Indicesによると、8月末時点で情報技術セクターだけで37.9%、上位10銘柄だけでも37.8%を占めています。さらにReutersは、AmazonやAlphabet、Metaなど、GICSの業種分類では情報技術以外に入る大型テクノロジー企業まで含めれば、広い意味でのテック関連企業がS&P500の時価総額の半分を超えると指摘しています。S&P500という名前から想像するより、巨大テック企業の値動きに左右されやすい指数になっているわけです。
オルカン24.27%、S&P50037.80%

では、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)はどうでしょうか。オルカンが連動を目指すMSCI ACWIは2,458銘柄で構成されています。上位にはNVIDIA4.90%、Apple4.47%、Microsoft3.44%などが並び、上位10銘柄の合計は24.27%です。こちらも巨大企業への集中がないわけではありませんが、S&P500の37.8%と比べればかなり低いです。また、台湾のTSMCなど米国外企業も上位に入ります。これは「S&P500は危険で、オルカンなら安全」という話ではありません。どちらも時価総額加重平均型なので、株価が上昇して時価総額が大きくなった企業の比率は自然に高くなります。勝ち上がった企業を多く保有すること自体が、この方式の特徴です。違うのは母集団です。S&P500は米国企業に限定されますが、オルカンは先進国、新興国を含む世界株式市場へ広げています。その結果、巨大テック株の恩恵を受けながら、米国外企業の成長も取り込めます。個人的には、どの国や企業が今後の勝者になるかを決め打ちせず、「長期分散低コスト」で世界市場全体を持てる普通のオルカンで十分だと思っています。分散とは銘柄数だけではなく、どこまで投資対象の世界を広げるかでも変わる。その違いが、上位10銘柄の集中度にも表れていると思います。

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