モーニングスターが公表した2026年8月の国内公募投資信託の資金フローを見ると、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)への純資金流入額は3,961億円で月間1位でした。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は2,016億円で2位です。8月だけで見ると、オルカンへの流入額はスリムS&P500の約1.96倍となりました。この傾向は8月だけではありません。7月はオルカン4,465億円に対してスリムS&P500が2,170億円、6月は4,120億円に対して2,066億円でした。3カ月を単純合計すると、オルカンは約1兆2,546億円、スリムS&P500は約6,252億円です。見事なくらい約2倍の差になっています。さらに8月は、世界株式型ファンド全体への純流入額が1兆5,328億円となり、9カ月連続で1兆円を超えました。世界株式型のパッシブファンドだけを見ても3カ月連続で1兆円超です。少なくとも最近の日本の積立投資家では、米国だけに投資するより、世界全体へ広く投資する選択がかなり強まっているように見えます。
最初から世界全体を持つ

個人的には、この流れは興味深いと思います。米国株が弱くなったからオルカンへ逃げている、という単純な話ではありません。米国株が依然として世界市場の中心であり続ける中でも、「どの地域が次に勝つかを自分で決めない」という選択をする人が増えていると見る方が自然です。ただし、資金流入額が多いから将来のリターンも高い、という意味では当然ありません。人気ランキングをそのまま投資理論にすると、話が急に雑になります。オルカンがS&P500より資金を集めていることと、今後どちらが高いリターンになるかは別問題です。それでも、「長期分散低コスト」に基づき、時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドを淡々と積み立てる人が増えているのであれば、個人的には良い変化だと思います。米国か欧州か日本かを毎年予想するより、最初から世界全体を持つ。最近の資金流入データは、そうした考え方がかなり定着してきたことを示しているように見えます。

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