こんにちは、上場投資信託(ETF)を除く国内公募追加型株式投資信託の2023年2月末時点の純資産総額ランキングでトップ20入りしている投資信託で、積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象の低コストインデックス型は5本がランクインしました。既にトップ10入りしていた4本に加え、先進国株価指数に連動する<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(ニッセイ先進国)が純資産総額4,515億円(前月比177億円増)とし19位に入りました。日経電子版が8日報じました。個人投資家の資産形成に寄与する低コストで優良インデックス型の投資信託が新たにランクインしたことは、日本の投資信託の環境が良くなってきている表れだと思います。
日経電子版の該当記事(無料記事です)
既存の信託報酬を下げてきた姿勢を評価
ニッセイ先進国は他の運用会社のように同じ指数に連動する新たな低コストインデックス型投資信託を出すのではなく、投資信託の運用管理費(信託報酬)を引き下げる形を取り既存の投資信託保有者を大切にしてきました。そういった姿勢が幅広い投資家に評価されています。時価総額加重平均型で日本を除く先進国株価指数「MSCIコクサイ」に連動しています。信託報酬は年0.1023%と業界最安値水準です。かつて、外国株式インデックス型投資信託といえば、ほぼMSCIコクサイ連動投資信託を意味しました。企業型確定拠出年金(企業型DC)の多くはいまだにインデックス型の外国株式はMSCIコクサイ連動型しか扱っていないケースが多く見当たります。MSCIコクサイ連動投資信託は多くの運用会社が設定しており、一番の激戦区です。ニッセイ先進国はつみたてNISA対象のMSCIコクサイ連動投資信託で一番純資産総額が大きいです。
【お勧め投資本(ハイレベル)】
スリム米国株式は首位を快走
トップ10入りしているつみたてNISA対象の4本を見ると、eMAXIS Slim 米国株式(スリム米国株式)は2月6日に首位に立って以降、純資産総額を着実に伸ばしています。1兆8,163億円で、前月比1,105億円増です。4位のeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は純資産総額9,115億円(前月比588億円増)、6位の楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)は純資産総額8,110億円(前月比468億円増)、7位のSBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIVOO)は純資産総額7,999億円(前月比437億円増)としています。いずれも着実に純資産総額を伸ばし、オルカン、楽天VTI、SBIVOOはさらに上の順位を目指しています。
【お勧め証券会社】
毎月分配型投信をぶっ壊す
純資産総額ランキングトップ20には、毎月分配型(毎月決算型)投資信託を代表とする手数料をぼったくる極悪投資信託が複数残り続けています。購入するだけで1~3%程度の手数料が発生し、毎年1~2%超の信託報酬が発生し続けます。つみたてNISA対象の低コストインデックス型投資信託ならば、売買手数料は無料で信託報酬は年0.1未満~年0.2%程度であるのに比べ、極めてコストが高いです。さらに、毎月分配型投資信託は複利運用の基本に真っ向から反する最悪な劣悪金融商品であり、投資家から手数料を巻き上げるだけを目的とした悪徳投資信託です。たとえどんな理由があろうと投資する価値は一切ありません。強引に分配金を払い出すために元本から取り崩すタコ足配当(分配)が当たり前のように行われています。さらに、多くの人にとって商品の仕組みが理解しがたい金融派生商品(デリバティブ)取引を駆使したタイプが多いです。老後の取り崩し期には毎月分配型投資信託は選択肢になるなんて意見もありますが、売り手側の浅ましい屁理屈に過ぎません。低コストインデックス型投資信託で証券会社の定率売却サービスを活用したり、必要額をその都度売却したりすれば済む話です。他にはETFに投資をし、諸経費を控除した配当・利子のみを原資とした健全な形の分配金を受け取る選択肢もあります。購入コストや維持コストがボッタクリレベルにかかり、金融商品としての合理性が皆無の毎月分配型投資信託が出る幕は一切ありません。なお、2024年から導入見通しの新NISAで、毎月分配型投資信託は新NISAの投資対象から除外されるのが確実な情勢です。ランキングトップ20から毎月分配型投資信託が駆逐される日までこの段落は残し続ける覚悟です。
コメント