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外国株投資での誤解

株式投資の心構え
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 こんにちは、でんです。あるインフルエンサーが米国市場の米国株上場投資信託(ETF)のメリットを取り上げる内容の発信で「(前略)為替リスクがある投資信託はまだまだですね(後略)」と発信していました。米国市場上場の米国株ETFは為替リスクがなく、日本国内の米国株投資信託にだけ為替リスクがあると誤解を与えかねない内容と受け止めました。日本円で生活する日本人が米国株など外国株式に投資する以上、基本的に国内投資信託でも米国市場のETFでも同じく為替リスクがあります。今回は初心者を中心にありがちな外国株投資での誤解を取り上げます。

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米国株は原則為替リスクあり

  • 日本の投信も米国ETFも為替リスクあり
  • 米国在住の日本人ら例外

 日本の米国株投資信託も、東証の米国株ETFも、米国市場の米国株ETFも、日本円で生活している限り原則、為替リスクはあります。日本在住で日本円建てで生活する日本人のケースで話を進めます。日本の楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)など米国株投資信託やMAXIS米国株式(S&P500)上場投信など東証の米国株ETFは投資家が円で購入した資金を元手に、ファンドがドルに両替して対象指数に連動するように米国ETFや米国株式を購入します。投資した元本がどれだけ増減したか分かるように円建てで表示します。投資資産の増減は投資信託やETFの価額や取引値の上下やドル円レートの変動で決まります。もちろん為替リスクはあります。ちなみに、為替ヘッジを付けて為替変動を軽減する投資信託や東証ETFもあります。VTIやIVVなど米国市場の米国株ETFは投資家が直接、米国市場のETFを購入します。証券会社によって異なりますが、基本的に円でもドルでも買えます。取引値はドルで表示されます。投資資産の増減は米国ETFの取引値の値動きに加え、購入時点からの為替変動の影響も受けます。

楽天VTI表紙
日本の代表的な米国株投資信託楽天VTIの交付目論見書の表紙。日本に住み日本円で生活する日本人にとって、楽天VTIも米国ETFのVTIも原則、同じく為替リスクがかかる

 米国市場の米国株ETFで為替リスクを負わない日本人も例外として存在します。米国在住かつドル建で生活している日本人です。彼らはドルで生活しています。基本的にドルを円に替える機会は少ないです。米国市場の米国株ETFに投資することは、日本に住み日本円で生活する日本人が東証の日本株ETFに投資するのと同じで為替リスクを負いません。あと、日本在住の日本人でも既にドルを持っていて、かつ日本円に両替しない前提で米国市場の米国株ETFに投資する場合も為替リスクはないと言えます(事前にドルを保有する時点で負った為替リスクは考慮しない場合)。前文で紹介したインフルエンサーはこのケースを念頭に米国市場の米国株ETFは為替リスクを負わないという趣旨の発信だったのかもしれません。仮にそうだとしても、説明不足で初心者に誤解を与えかねない内容だと感じました。

楽天VTI組み入れ銘柄
VTIの組み入れ上位銘柄と業種別構成比(楽天VTI月次レポートより)。日本在住の多くの日本人は、楽天VTIも、VTIも同じく為替リスクを負う

 このブログに来ていただき、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。筆者の知人から「米国市場の米国株ETFならば日本の米国株投資信託と違い為替リスクがないんでしょ」と聞かれ、詳しく事情を聞いたら件のインフルエンサーの発信が根拠となっていました。多くの人が注目しているインフルエンサーの発信内容として、初心者に誤解を招きかねないと感じざるを得なかったので取り上げました。このインフルエンサーを批判する意図は全くありません。むしろ良心的な米国株投資の著作を複数出しており、筆者も初心者時代に読んでお世話になりました。この場を借りてこのインフルエンサーにお礼を申し上げます。

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