SBIアセットマネジメントが11月17日に設定する「SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド(ゼロカン)」が話題になっています。2027年1月開始予定のこどもNISA専用商品で、信託報酬は年0.00%です。連動を目指す指数はMSCI ACWIで、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)と同じです。「同じ指数なら、信託報酬ゼロの方が最強では」と思いたくなります。数字だけ見れば、まあ反論しづらいです。信託報酬競争、ついにゼロまで掘り進みました。ただし、ゼロカンは完全無料の商品ではありません。0.00%なのは運用会社などへ支払う信託報酬です。SBI自身も、監査報酬、株式売買時の委託手数料、信託事務費用、海外資産の保管費用などは別途ファンド内で発生すると明記しています。実際に投資家が負担するコストを比較するには、運用開始後に公表される総経費率や実質コストまで確認する必要があります。さらに重要なのが、MSCI ACWIへどれだけ正確に連動できるかです。信託報酬が0%でも、指数より継続的に大きく下回るなら意味がありません。トラッキング差、売買効率、純資産総額、資金流入の安定性などもファンドの品質を左右します。
運用状況や実質コストなどを見てから

では、すでにオルカンを持っている人がゼロカンへ乗り換えるべきでしょうか。そもそもゼロカンはこどもNISA専用なので、成人が新規購入することはできません。18歳到達後も、それまで保有していたゼロカンは信託報酬0%のまま通常NISAへ引き継いで保有できますが、新たにゼロカンを買い増すことはできません。同じマザーファンドを利用する成人向けの「SBI・オールカントリー・インデックス・ファンド」も設定予定ですが、こちらの信託報酬は年0.055%です。ゼロカンだけを0%にする商品設計は、SBIにとって将来の顧客を獲得する戦略という面もありそうです。個人的には、既存のオルカン保有者が「0.00%」という数字だけを見て慌てる必要はないと思います。普通のオルカンもすでに極めて低コストで、長い運用実績と巨大な純資産があります。0.0何%の差より、きちんと指数へ連動し、安定して長期間運用されることの方が重要です。一方、これからこどもNISAで全世界株式を積み立てるなら、ゼロカンは非常に有力な候補です。ただし、設定直後に結論を出さず、総経費率、指数との乖離、純資産の伸び、運用の安定性を確認してから選んでも遅くありません。信託報酬0%は確かにすごい。でも、「0%だから最強」で商品分析を終わらせない。低コスト競争がここまで進んだからこそ、次は実際の運用品質を見る段階に入ったのだと思います。

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