日経電子版に、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の開発を主導した三菱UFJアセットマネジメント元常務の代田秀雄氏へのインタビューが掲載されました。有料会員限定記事です。オルカンが連動するMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)の特徴と、全世界株式を長期保有する際の注意点が非常によく整理されています。ぜひご覧になってください。
心配な点もある
詳しい記事の内容は上のリンクからご覧ください。記事によると、代田氏は、現役世代が20年以上積み立て投資を続ける前提ならば、運用資産はオルカンだけでも十分と話しています。世界の株式市場全体の成長に乗り、どの国や企業が勝つかを自分で予想しない。米国株の割合が約6割と高くても、それは現在の世界市場の時価総額を反映した結果です。米国比率を意図的に下げれば、代わりにどの国を増やすか自分で判断することになり、市場平均から離れた別の運用になります。これはMSCI ACWIの性格をよく表していると思います。一方で、代田氏が心配しているのは、オルカンを「預貯金のようなもの」「損をしない商品」と考える人がいることです。この指摘は本当にその通りで、肝に銘じるべきだと思います。オルカンは世界中に分散されていますが、投資対象は株式です。リーマン・ショック時にはMSCI ACWIがピークから5割強下落し、回復までおおむね5年半かかりました。全世界株式でも大幅下落は普通に起こりえます。人類、商品名に「全世界」と付くと急に無敵装備だと思いがちですが、残念ながら株式のリスクまでは消えません。
優秀だけど、万能ではない

重要なのは、下落しても運用を続けられる金額だけを投資することです。生活防衛資金や近い将来に使うお金までオルカンへ入れれば、下落時に売らざるを得なくなる可能性があります。退職後に資産を取り崩す人は、当面使うお金を普通預貯金やMRF、個人向け国債変動10年などの無リスク資産で厚めに持つ必要があります。オルカンは万能ではありませんが、「長期分散低コスト」に合致する極めて優秀な投資信託です。だからこそ、過信せず、受け入れられるリスクの範囲内で保有し続けることが大切です。資産額を増やすこと自体を人生の目的にせず、お金は生活や選択肢を支える道具として使う。代田氏の記事は、オルカンの良さと限界の両方を改めて確認できる内容だと思います。

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