日経電子版に掲載された日経編集委員の田村正之氏のコラムで、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)と円安・円高、物価高の関係が取り上げられていました。コラムによると、オルカンの連動対象であるMSCI ACWIは1987年12月の算出開始以来、今年5月までの38年5カ月で円ベース35倍、平均年率9.7%上昇しました。1987年末から2012年1月までの長い円高期でも、円ベースで3.4倍、平均年率5.1%上昇したといいます。円高だから必ずダメ、円安だから必ず良いという単純な話ではないことが分かります。
円高局面も想定したい
詳しい記事の内容は上のリンクからご覧ください。コラムの内容には大筋で賛同します。オルカンは投資対象の大半が外貨建て資産なので、円安になれば円ベースの評価額を押し上げやすくなります。一方で、将来ずっと円安が続くと決めつけるのは危ういです。記事にある通り、現状とは反対に円高ドル安に振れる局面もあり得ます。仮に円高になれば、外貨建て資産の円換算額は目減りします。ただし、円高は輸入品価格やエネルギー価格など家計支出を抑える方向に働く面もあります。資産だけでなく、家計全体で為替の影響を見る視点は大切だと思います。
長期投資でも短期はぶれる
記事では、投資期間が5年程度と短ければ年率で1割強のマイナスとなった時期もある一方、15年になると全体の98%の時期で平均年率2%を上回ったと紹介されています。もちろん、過去の結果が将来を保証するわけではありません。それでも、全世界株式は短期では大きくぶれるものの、長期では物価上昇を上回るリターンを期待しやすい資産クラスだと考えていいと思います。だからこそ、数年で使う予定のお金までリスク資産に突っ込むのは筋が悪いです。人間の欲望はだいたい期限を無視して暴走します。困ったものです。
配分を守って続ける

今後の為替や株価の変動は予測できません。円安が進むかもしれませんし、円高に戻るかもしれません。株価が上がるか、下がるか、横ばいかも分かりません。個人投資家にできることは、予想を当てにいくことではなく、受け入れられるリスクの範囲内で資産配分を守ることです。リスク資産は時価総額加重平均型の低コスト全世界株式インデックスファンド、つまりオルカンなどを中心に考え、無リスク資産は個人向け国債変動10年やMRF、普通預貯金などで持つのが分かりやすいと思います。
オルカンは万能ではない
オルカンは低コストで世界中の株式に分散投資できる優れた投資信託ですが、万能ではありません。円高になれば円ベースの評価額は下がりやすいですし、世界的な株安になれば普通に大きく下がります。それでも、どの国や通貨が勝つかを予想せず、世界全体の成長に乗れるのは大きな強みです。大切なのは、為替や株価に振り回されてリスクを取りすぎたり、逆に怖がりすぎてリスクを取らなかったりしないことです。淡々と配分を守り、長く市場に居続けたいです。

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