こんにちは、「積立王子」の愛称で知られ、日本の投資信託への投資環境向上に多大な貢献をした元セゾン投信会長の中野晴啓氏が日経電子版のインタビューで新少額投資非課税制度(新NISA)のポイントや運用の考え方を述べました。日経電子版によると、中野氏は現行のNISAで非課税投資期間が限られていたのに対し、新NISAでは無期限で非課税投資が可能になった点を高く評価しています。ただ、成長投資枠で日本株のアクティブファンドへの投資をやたらと推しています。ポジショントーク含みと推察されるとはいえ、この意見には全く同意できません。
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理想の制度に近づいた
詳しいインタビューの内容は日経電子版の該当記事をご覧下さい。日経電子版のインタビューで中野氏は新NISA制度が恒久化され、非課税保有期間が無期限された点に関し「理想の制度に近づいた」と述べています。さらに、「今後、『投資はいつまで続けるべきか』は愚問になる」と強調しています。一人一人が計画的に資産を取り崩せるようになると付け加えています。現行のつみたてNISA、一般NISAが新NISAで一本化された点も高く評価し、つみたて枠の商品は成長投資枠で買えるが、逆はできない点にも言及しています。ここまでは大筋で同意できます。
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低コストかつ市場平均に近い全世界株式が合理的
中野氏は一方、つみたてNISAや新NISAのつみたて枠で対象商品に強い縛りをかけるのは正しいとしつつ、アクティブ投資を否定すべきではないとしています。全世界株式インデックスファンドをコアにしつつ、日本株のアクティブファンドへの投資もサテライト部分で選択肢になり得るとしています。一つ一つ反論します。つみたてNISAや新NISAのつみたて枠でも、アクティブ投資を決して否定していません。①純資産総額50億円以上②設定以降5年以上経過③信託期間のうち資金流入超の回数が3分の2以上④販売手数料なし⑤信託報酬一定以下―などの要件を満たせば、アクティブファンドも投資対象として認められます。条件として極めて正当かつ真っ当です。厳しくすることこそあれ、緩和する必要は一切ありません。新NISAで多くの人に向いた基本方針は、つみたて枠も、成長投資枠も①時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンド※②低コスト③連動指数との乖離(かいり)率が小さい③純資産総額100億円以上で大きければ大きいほどいい④設定以来資金流入継続-を満たす商品1本に投資をすることです。「長期・分散・低コスト」を基本とした考えに基づいた意見です。端的に言えば、つみたて枠も、成長投資枠も、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)だけに投資をすれば何ら問題ありません。株式内に限ってはリバランス不要になります。「コア・サテライト戦略」は、ほとんどの人に必要ありません。「有害情報」と思ってもらっても問題ないぐらいです。ほとんどがリスクや運用管理費(信託報酬)、手間に見合わないと思います。
※全世界株式の部分を全米株式、S&P500、先進国株式と読み替えても、まあ、おおむねいいかなとも思います。
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