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期待リターンはどこから…

オルカン 株式投資の心構え
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 こんにちは、経済評論家の山崎元氏が「期待リターンはどこから来るのか?」というタイトルの記事を楽天証券コラムサイト「トウシル」に掲載していました。詳しい記事の内容は下記に示すリンクからご覧いただきたいですが、山崎氏は専門用語としての期待リターンの「期待」は統計学でいう「期待値」、すなわち将来の実現確率で重みをつけられた加重平均としての「予想」の意味で使われていると紹介しています。その上で期待リターンは投資家(主に機関投資家)同士の「横並びを気にする駆け引き」を通じ社会的に決まっていると述べています。緩やかに「平均投資有利の原則」が働き、資産配分が似ているとほぼ同じリスクデータを使っているため、必然的に期待リターンも平均的な値に収まる力が働くとしています。実務上も、学者の世界でも株式のリスクプレミアムは年率5~6%ぐらいというのが多数説と述べています。機関投資家の横並びを意識した競争の結果、平均投資有利の原則が働き年率5~6%ぐらいに収まってくるというのは、恐らくはそういうことなんだろうなと私自身も感じました。なお、株式のリスクは年率で10数%から20%程度であると推定されています。

 

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過去は約に立たない

期待リターンはどこから来るのか? | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
資産運用の専門用語の中で「期待リターン」は、特に甘美な響きを持つ言葉だ。短期国債や預金のようなほぼ無リスクとされる資産よりも高い期待リターンが得られると思えばこそ、投資家は株式投資のリスクを受け入れる。 こうした文脈で使われるので、期待…

トウシルの該当記事

 山崎氏は、期待リターンが将来の予測に基づく期待値でなくてはならないので、「過去のデータの平均値」は期待リターンとして機能しないのは運用実務界の常識であると語ります。確かに、2021年ごろに流行した過去10~20年程度のリターンの結果のみをとってレバレッジNASDAQ100(レバナス)投資信託が圧倒的に有利だと主張した話が疑わしいという例を考えるとしっくりくるかもしれません。しかし、一方で実務的にはリスクの値は、リターンの標準偏差(ぶれ)も、相関係数も過去の値を使うことが多いです。この点について山崎氏は①過去のデータでリスクの数値が期間の変化に対してリターンの数値よりも安定している②期待リターンの数値が本当のリターンの予測上意味があるなら直ちに市場価格に影響すると考えられる一方リスクの数値は期待リターンの数値ほどには影響しにくいーという点を考えると「なんとなく」納得できるとしています。少なくとも過去のデータに直接的に儲かる予測はないと述べています。

 

リスクに見合わぬ外国債券

個人向け国債変動10年
オルカン

  山崎氏は外国債券が為替リスクがあるゆえに期待リターンが高いと考えるのには違和感があると語っています。基本的にゼロサムゲームの世界である為替・金利市場で発生する為替リスクには、株式のような資本資産の価格に織り込まれるようなリスクプレミアムが存在していないと説明してます。長期的には外国債券は、同じ程度の信用リスクで比べると国内債券と期待リターンに大差ないはずだとしています。標準偏差で株式の半分近いリスクがあるのに、期待リターンが高いとはいえない「割に合わない」資産と言えると結論付けています。筆者も外国債券がリスクに対し、期待リターンの割が合わない資産クラスだという立場を取っています。わざわざ外国債券を買うぐらいならば、全世界株式(と個人向け国債変動10年)を買った方がいいという立場です。国内債券は現行の低金利と将来の利上げ(債券価格の下落)余地が大きい点を考えると、個人向け国債変動10年(変動10)がいいのではないかと思います。個人向け国債は日本政府が破綻しない限り元本が保証されており、金利上昇時も通常の債券と違い債券価格下落が発生しません。変動10ならば金利上昇に追随します。新発債ならば直近の10年国債利回り(基準金利)に0.66をかけた金利(利回り)で募集されます。既発債ならば半年に一度、同じ計算式で算定された金利に変動します。個人投資家は山崎氏が日頃から繰り返しおっしゃっている通り、リスク許容度の範囲内で時価総額加重平均型の低コスト全世界株インデックスファンドと変動10に分散投資をするのがおおむねいいと思います。

 

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