こんにちは、モーニングスター社が毎月集計している大手インターネット証券会社3社の投資信託積み立て契約件数ランキング2022年11月版が公表されました。トップ10(11商品)のうち9本が積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象のインデックス型投資信託でした。いずれも時価総額加重平均型の全世界株価指数、全米株価指数、S&P500指数、先進国株価指数に連動している低コスト投資信託で、長期の資産形成に適した商品揃いです。つみたてNISA対象外では2本がランクインしました。このうち、10月28日に設定されたばかりの米国のS&P500配当貴族指数に連動する低コストスマートベータ投資信託「Tracers S&P500配当貴族インデックス」(日興配当貴族)が11ポイント(1社平均3.67ポイント)とし、前月の10位から6位に浮上しました。新規設定わずか1カ月足らずで、つみたてNISA対象で低コストの有名投資信託の間に割って入っており、投資家から注目を集めているといえるでしょう。
ランキングの決定方法
ランキングは、定期的に月次投資信託積み立て契約件数トップ10を公表している楽天証券、SBI証券、マネックス証券の公開情報を元にモーニングスター社が集計しています。各社ランキングの1位に10点、2位9点、3位8点…、10位1点とし、3社のランキング10位までのファンドの点数を出したているとのことです。満点で30点となります。いずれも、低コストインデックス型投資信託を多数扱っており、メーンで扱う証券会社に適切です。
楽天証券のリンクです。
SBI証券のリンクです
eMAXIS Slim 米国株式とオルカン盤石
積み立て契約件数トップ10は【表】の通りです。1位はeMAXIS Slim 米国株式で28ポイント(1社平均9.33ポイント)、2位はeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)で27ポイント(1社平均9ポイント)と盤石のワンツー体制が続いています。3位はSBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIVOO)で、18ポイント(1社平均9ポイント)でした。以下、おおむね常連の全世界株式、全米株式、先進国株価指数に連動するインデックス型投資信託が並んでいます。なお、10位タイのインド株アクティブ型投資信託は全く関心がありません。当ブログでは一切触れませんのでご了承ください。
面白い日興配当貴族
10位に入った日興配当貴族はS&P500配当貴族指数に連動します。S&P500配当貴族指数はS&P500指数構成銘柄のうち①25年以上連続増配②時価総額30億ドル以上③流動性が高いーなどを満たした銘柄で構成されています。2022年7月現在で64銘柄が対象となっています。維持管理費(信託報酬)が年0.1155%で、従来から日本にあったS&P500配当貴族指数連動投資信託の信託報酬の相場年0.55%に比べて極めて低いです。スマートベータ指数連動系の投資信託全体で見ても、低コストで知られたSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(SBIVYM)、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)よりも信託報酬が安いです。それどころか、低コストインデックス型投資信託と比較しても遜色ないレベルです。確かに個人的に面白い投資信託だと思います。しかし、株式投資の大原則は時価総額加重平均型で低コストの全世界株、全米株、S&P500、先進国株のインデックス型投資信託に投資することです。つみたてNISA対象から低コストかつ純資産総額が大きい商品を選ぶのがいいと思います。さらに、その中でも全世界株が基本かつ王道に忠実であると申し添えます。
「株式投資」は米経済学博士シーゲル氏の著書のうち「緑本」として知られる株式投資の世界的名著です。過去のS&P500指数と長期債、短期債、ゴールド、現金の長期リターンの比較は必見です。日興配当貴族はシーゲル氏が推奨する「割安株」「連続増配株」「高配当株」などに比重を置き、低コストで効率よく再投資していく戦略と相性がいいです。シーゲル氏の理論を狂おしいまでに具現化した投資信託とさえ思います。個人的には「シーゲル投信」とひそかに読んでいます。
コメント