こんにちは、でんです。前日にマネックス証券を例に個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用戦略を紹介しました。運用していく上で一つ注意点があります。低コストのインデックス型投資信託同士だとしても、商品の頻繁な乗り換えは避けるべきだと思います。米国株や全世界株のインデックスファンドへの投資の基本は長期投資です。商品の頻繁な乗り換えは売買を繰り返す結果となり、長期的にリターンを落とします。積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)にも共通して言える話です。
高値つかみの安値売り
- 売買を頻繁にしない
- 「インデックスファンドの父」が警告
2020年は米国NASDAQ100指数が絶好調で、日経平均は米国S&P500指数並みの高いリターンでした。しかも、積み立て投資ですと、11月以降に急上昇した日経平均が一番良い成績でした。だからと言って持っているS&P500指数や全世界株価指数に連動する投資信託を売って、日経平均の投資信託に乗り換えるのは「高値つかみの安値売り」につながる恐れの高い投資方法と言わざるをえません。どの地域のリターンが高いかは年によって異なります。前年の成績のいい投資信託に乗り換えていくやり方は、安く買って高く売るという商売の原則に大きく反します。
航路を守れ バンガードとインデックス革命の物語 [ ジョン・C・ボーグル ]
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感想(1件)
インデックスファンドの生みの親で米バンガード社を創設したジョン・ボーグル氏の「航路を守れ」によると、2005年から2017年までのインデックス投資信託のリターンが+184%、上場投資信託(ETF)が+101%と明確に差が付きました。ボーグル氏は「例えば、S&P500に連動するTIF(引用者注:投資信託)とETFのリターンはほぼ同じになる。だが、投資家リターンでは、ETF投資家が行う非生産的な選択(高い売買コストや間違った賭け、不適切なマーケット・タイミング)が勘案されるので、ETFの保有者の方がかなり低い」と指摘しています。投資信託とETFを保有する投資家へのアドバイスとして「ポートフォリオ(引用者注:運用商品の組み合わせ)では分散されたS&P500などのインデックス・ファンドを中心にして、売買はしないこと。この戦略を取れば(中略)航路を守る限り、正しいをことをしているのだ」と強調しています。
iDeCoでの注意
iDeCoでは課税されずにスイッチング(資産の構成変更)や毎月の配分指定(買い付け先)変更ができます。非課税や売買手数料無料を理由に、直近の成績がいい投資信託に乗り換えるのは長期の運用リターンを損なう結果になる恐れが大きいと警告します。S&P500指数や全米株価指数、全世界株価指数(日本除く、日本含む)に連動する投資信託の中から投資先を決めたら、50代後半以降までは基本的にスイッチングや配分指定は変えずに続けた方がいいと思います。運用残り数年になったら債券などを含むバランスファンドに一定程度スイッチングするかどうか判断すればいいと思います。ちなみに、つみたてNISAは1度売却すると、売却した分の非課税枠は2度と復活しないので注意が必要です。
このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。頻繁な売買は、リターンを損ないます。筆者はボーグル氏の言葉を肝に銘じています。
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