スポンサーリンク

立民代表、金融所得課税強化に言及

金融所得税率一律税率 株式投資の心構え
金融所得税率の一律引き上げは富裕層より中間層の負担が大きくなる。見えにくいが、申告なし分の薄い棒グラフは中間層で高くなっている(2021年12月2日付日経朝刊より)
スポンサーリンク

 こんにちは、27日に投開票される衆院選が15日公示されましたが、立憲民主党の野田佳彦代表は公示に先立つ14日の民放番組で金融所得課税強化に言及しました。国内の新聞社や通信社が報じました。報道によると、野田氏は「もうちょっとマーケットが落ち着いたような段階で20~25%ぐらいを含めて税率を高めることはありうる」と述べたといいます。立民の支持基盤の一つである労組や中道左派を意識した人気取りの発言とも取れる一方、本気で金融所得課税強化が正しいと思い込んでいる可能性も否めません。石破茂首相も自民党総裁選で一度金融所得課税強化に言及し、党内からの反論や総裁選逆転勝利後に一時的に株価が大きく下落したことを受けて撤回、封印しています。世論や党内有力者、市場を見て発言がぶれる石破氏と違い、野田氏はかつて民主党政権時に首相だった時に民主党大敗が確実視される中、周囲の反対を押し切り早期解散を「有言実行」した過去があります。一度決意したらぶれずに突っ走るタイプといえます。自民内部でも金融所得課税強化論は根強いですが、立民や左派、左翼政党は自民以上に金融所得課税強化に前のめりです。自民が手放しでいいとは思いませんが、少なくとも立民、共産、社民、れいわよりは確実にましです。はっきり言えば、立民やこれら左派、左翼政党は最初から投票の選択肢になりえないと思います。中には「敵の出方論」に基づく暴力革命の可能性を隠し持っており、公安調査庁の調査対象団体となっている政党も含まれています。政府はこの認識を変えておらず、国会議員からの質問主意書に対し、閣議決定をした上で答弁書に明記しています。

楽天証券広告

 

SBI証券広告

 

スポンサーリンク

愚策の極み

1億円の壁
巷に出回っている「1億円の壁」のグラフ。639万人にすぎない申告納税者のみのデータで作られており、納税者全体のデータを全く反映していない(2021年12月2日付日経新聞朝刊より)
金融所得税率一律税率
金融所得税率の一律引き上げは富裕層より中間層の負担が大きくなる。見えにくいが、申告なし分の薄い棒グラフは中間層で高くなっている(2021年12月2日付日経朝刊より)
主要国の株式譲渡益課税
主要国の株式譲渡益課税の概要(財務省ホームページより引用)

 金融所得課税強化は愚策の極みです。課税強化論者の根拠として、国税庁の申告所得税標本調査(1億円の壁)のグラフ【表上】を持ち出してくる例をよく見かけます。しかし、このグラフは約639万人しかいない申告納税者のみのデータで作成しており、納税者全体のデータを全く反映していません。増税の根拠には到底なり得ません。数千万人いる源泉徴収だけで確定申告をしていない会社員ら無申告納税者分を全く反映していません。日本の納税者全体のデータとして増税の根拠とするのは無理です。過去の日経の報道によると、大和総研が納税者全体のケースを試算しています【表中】。所得額1億円に税率のピークがくるグラフの形状はほとんど変わりませんが、金融所得増税が格差是正につながらないとも明かしています。富裕層よりも中間層の負担が大きくなります。20%の税率を25%に引き上げた場合、約4,600億円の税収増になります。所得1億円以上の富裕層が負担するのは約1,800億円と1億円以下の層の負担約2,800億円よりも小さくなります。大和総研の研究員は「税率の引き上げは富裕層の課税強化というよりも、大衆増税の側面が強い」としています。さらに、主要先進国の株式譲渡益課税の概要は【表下】の通りです。米国と英国は日本よりも課税率が低いです。ドイツとフランスは一見すると日本よりも高いように見えますが、高額所得者だけが選択する分離課税の税率と比較した場合に限った話です。ドイツ、フランスともに大多数の所得者は総合課税を選択した上で各種控除を受けられるため、日本の税率よりも安いのが現状です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました