こんにちは、投資信託協会は2024年4月から投資信託購入時に投資家に交付される目論見書に、運用管理費(信託報酬)だけでなく総経費率を記載するよう求めます。信託報酬に加えて従来は「隠れ費用」とされていた書類作成費や指数使用料などを含めた費用を合計し、投資信託の純資産総額に対する比率を総経費率として目論見書に記載する自主ルールを制定、会員の運用会社に義務付けます。日経が9日付朝刊で報じました。報道によると、コスト開示の透明性を高め、初心者や若者の資産形成を後押しする狙いがあるとしています。従来購入時には分からなかった「隠れ費用」が「見える化」されることは、投資家にとって大変望ましい改革だと思います。
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隠れ費用「見える化」
日経によると、投資信託協会が目論見書に総経費率の記載を求めるのは加盟運用会社約200社の投資信託約6,000本です。投資信託購入時から「隠れ費用」も含めた総経費率を「見える化」します。現在は信託報酬に含まれる費用は運用会社や投資信託によって異なる場合があります。日経の記事でも紹介していますが、信託報酬年0.05775%で注目を集めたTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(トレカン)と、国内の全世界株インデックスファンドで最大の純資産総額を誇り信託報酬年0.1133%のeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)が代表的な例です。オルカンは信託報酬に書類作成費や株価指数使用料などを含んでいますが、トレカンは書類作成費や株価指数使用料を含んでいません。表面的な信託報酬の数値ではトレカンの方が安いですが、総経費率ではほぼ同程度になるのではないかと指摘する声があります。目論見書の段階で総経費率が示されれば、オルカンとトレカンのように信託報酬の基準が異なる投資信託でも、より公正な比較ができる可能性は高まります。義務化に先駆けて自主的に総経費率を開示する動きも出ています。オルカンなどを運用する三菱UFJ国際投信(三菱AM)は7月からeMAXIS Slimシリーズで目論見書での総経費率掲載を始めます。
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