金融庁が2026年10月23日に更新した資料によると、NISAのつみたて投資枠対象商品は377本となりました。内訳は公募投資信託が366本、ETFが11本です。国内株式や海外株式、複数の資産に投資するバランス型など、さまざまな商品が対象となっています。しかし、選べる商品が377本あることと、何本も保有する必要があることは別問題です。
インデックス投信でも信託報酬に大きな差
金融庁は、指定インデックス投資信託の信託報酬率の分布も公表しています。平均信託報酬率は以下の通りです。
| 投資対象 | 平均信託報酬率 |
|---|---|
| 国内向け | 年0.27% |
| 国内外・海外向け | 年0.34% |
※いずれも税抜き。全377本ではなく、指定インデックス投信の平均です。
国内外・海外向けでは、信託報酬が年0.1%超0.2%以下の商品が44本ある一方、0.4%超0.5%以下の商品も47本あります。同じNISA対象のインデックス投信でも、運用コストにはかなりの差があることが分かります。例えば、100万円を運用する場合、信託報酬が年0.1%違えば、年間1,000円の差になります。長期投資では、こうしたコストの違いが積み重なります。ただし、信託報酬だけでなく、その他の費用や指数への連動性、純資産総額なども確認したいところです。
何本も保有すれば分散投資になる?

投資信託を何本も保有すれば、分散効果が高まると思う人もいるかもしれません。しかし、例えば同じ株価指数に連動するインデックスファンドを3本購入しても、投資先がほぼ同じなら分散効果はほとんど増えません。反対に、1本でも世界中の企業へ幅広く分散投資できる商品があります。その代表例が、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)です。オルカンは日本を含む先進国と新興国の株式に、時価総額に応じて投資します。世界株式への分散という目的なら、オルカン1本で十分だと考えています。もちろん、オルカンは株式100%の商品です。世界的な株価下落を避けられるわけではなく、債券などの安全資産まで含めた分散が完成するわけでもありません。
重要なのは商品数より資産配分
私は、長期的な資産形成ではオルカンなどの低コストインデックスファンドを中心にすることが合理的だと考えています。一方、生活費や株価下落に備える資金は、普通預貯金や個人向け国債などの円建て安全資産で確保します。投資信託を何本も組み合わせることより、自分のリスク許容度に応じて株式と安全資産の割合を決める方が重要です。分散投資で大切なのは、ファンドを何本持っているかではなく、実際に何へ投資しているかということです。NISAの対象商品が377本あっても、運用を複雑にする必要はありません。これからもシンプルな資産配分を維持し、長期・分散・低コスト投資を続けていきたいと思います。
参考資料

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