米投資信託協会によると、2026年6月末時点の米国の長期投資信託・上場投資信託(ETF)では、インデックス型の純資産総額が21兆8,800億ドル、アクティブ型が18兆8,300億ドルでした。インデックス型の割合は全体の53.7%となり、過半数を占めています。世界株式カテゴリーに限っても、インデックス型が50.9%となり、アクティブ型をわずかに上回りました。低コストで市場平均に連動する運用は、もはや一部の投資家だけが選ぶ特殊な方法ではありません。世界最大級の投資市場である米国でも、インデックス運用が多数派になったといえます。資金の流れを見ると、傾向はさらに明確です。6月は長期インデックス型に1,193億ドルが流入した一方、アクティブ型からは78億ドルが流出しました。世界株式でもインデックス型へ144億ドルが流入し、アクティブ型から121億ドルが流出しています。投資家が高いコストを支払って運用担当者の銘柄選択に賭けるより、低コストで市場全体を保有する方向へ移っていることが分かります。
アクティブ投資はなくならないので心配ない

「長期分散低コスト」に合致する時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドを資産形成の中心にする考え方は、かなり自然になりました。オルカン型投資は、もはや少数派の変わった運用ではありません。市場全体を極めて低いコストで保有し続ける考え方は、ジョン・C・ボーグル氏やバートン・マルキール氏の著作でも一貫して示されています。一方、インデックス運用が多数派になると、「企業価値を分析せず機械的に売買する資金ばかりになり、株価形成が機能しなくなるのではないか」と心配する声もあります。ただ、そこまで深刻に考える必要はないと思います。仮にインデックス運用が圧倒的多数となり、企業価値と比べて明らかに割高、あるいは割安な銘柄が増えれば、その価格差から利益を得ようとするアクティブ投資家が出てきます。割高な株を売り、割安な株を買う動きが増えれば、価格は再び企業価値に近づきやすくなります。利益を得られる機会がある限り、アクティブ運用が完全になくなることは考えにくいです。反対に、多くの投資家が割安株や成長企業を探し回れば、その情報はすぐ株価に反映されます。アクティブ投資家同士の競争が激しくなるほど、市場平均を安定して上回る余地は小さくなります。つまり、アクティブ運用は価格形成に必要ですが、アクティブ運用が盛んであること自体が、個々のアクティブ投資家を市場平均に勝ちにくくする面があります。これは、市場平均が多数の機関投資家の判断の総和であり、その平均を全員が上回ることはできないという『敗者のゲーム』の考え方とも整合します。個人投資家としては、市場全体の価格形成を過度に心配するより、自分の運用を考えれば十分です。低コストの全世界株式インデックスファンドを中心に、受け入れられるリスクの範囲内で保有し、無リスク資産との配分を守る。インデックス運用が多数派になっても、この基本は変わらないと思います。

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