こんにちは、2000年のITバブル真っただ中に運用を開始し、わずか1年未満で純資産総額1兆円を集めた野村アセットマネジメント(野村AM)の日本株式のアクティブファンド「ノムラ日本株式戦略ファンド」が2025年6月、野村AMの別な日本株式アクティブファンドに併合されます。野村AMが発表し、3月1日付日経朝刊17面コラム「大機小機」に取り上げられました。野村AMの公式ホームページや日経朝刊にも記載がありますが、現在の純資産総額は500億円台と最高時から数%程度にまで落ち込んでいます。設定以来、ベンチマーク(基準目標)としている東証株価指数(TOPIX、配当込み)の成績を下回っています。野村AMが認めている通り、高すぎるコストが運用成績に絶大な影響を及ぼし続けました。「国内最強」の証券営業部隊と言われた野村證券の営業部隊が電撃戦ともいえる勢いで売りに売りまくった投資信託が今は見る影もありません。きつい言い方をすれば、運用会社や販売会社のための投資信託で、顧客から高いコストをぼったくり続けたなれの果てと言われても仕方ないと思います。
高すぎるコスト

詳しい記事の内容やノムラ日本株式戦略ファンドの情報は該当日付の朝刊や日経電子版(有料会員限定記事)、野村AMの該当ページをご覧ください。とにかくコストが高すぎます。運用管理費用(信託報酬)が年2.09%はボッタクリレベルに高すぎます。今、アクティブファンドでも信託報酬年1%前後のものが複数出ており、2倍のコストがかかります。少額投資非課税制度(NISA)のつみたて投資枠対象の低コストインデックスファンドの信託報酬年0.06~年0.2%と比べれば10強~30数倍と別世界の高さです。しかも、先によっては、購入時手数料が最大3.3%発生します。こんなにコストがかかっていれば、さすがに運用成績に致命的な影響が出ます。どんな相場環境でもベンチマークに勝ち続けることを目指す「全天候型」戦略は、あまたのアクティブファンドのように市場平均に負け続けました。一般にアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は数%からよくて20%程度だとされています。全世界株式でも、先進国株式でも、日本株式でも、圧倒的大多数のアクティブファンドはインデックスファンドに負け続けてきました。そして、あるタイミング(例えばある10年間の成績で)一握りの勝者となったアクティブファンドも、次のタイミング(次の10年間)では、ほとんどが敗者に転落しました。勝ち続けたアクティブファンドはほとんどなく、事前に見つけ出すのは極めて困難な作業です。
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