こんにちは、米大手運用会社バンガード社は2月3日、ミューチュアル・ファンド(投資信託)と上場投資信託(ETF)計87本の運用管理費(信託報酬)を直ちに引き下げると発表しました。複数の金融系メディアが報じました。バンガード社によると、投資家は今年だけで約3億5,000万ドル(約542億5,000万円)以上を節約できるとみています。報道によると、バンガード社の資産加重平均手数料は運用資産約10兆ドル(約1,550兆円)に対し、年0.07%となったといいます。米国の業界平均の年0.44%を大きく下回っているとしています。5月1日に創立50周年記念日を迎えるバンガード社は投資コストを抑える重要性を強調し続け、その言葉通り運用資産規模に応じて信託報酬を自ら引き下げ続けてきました。創設者のジョン・C・ボーグル氏の精神を徹底的に貫いてきており、尊敬の念を抱かずにはいられません。
楽天証券広告
SBI証券広告
VTの信託報酬年0.06%に
![](https://corporate.vanguard.com/content/dam/corp/articles/images/erc_feb2025_social.png)
バンガード社の公式ホームページ(英語)
![](https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iPp5aKY.uh1M/v0/1200x800.jpg)
ブルームバーグの該当ページ(日本語版)
![](https://www.reuters.com/resizer/v2/H37ETD2XJBI3ZHLME672UMQWKM.jpg?auth=b8d915da13b42d8691cf619f666d441fec3e458f92120c4578828e7810b4b1d3&height=1005&width=1920&quality=80&smart=true)
ロイターの該当ページ(日本語版)
バンガード社の公式発表や信託報酬引き下げ対象になる銘柄一覧はバンガード社の公式ホームページをご参照ください。ブルームバーグとロイターのいずれも日本語版の該当報道ページへのリンクも併せて掲載します。報道によると、バンガードのインデックス債券投資信託及びETFの加重平均信託報酬は年0.05%、アクティブ型の加重平均は年0.10%に引き下げられたとしています。インデックス型の業界平均年0.11%、アクティブ型の業界平均年0.52%と比べて大幅に低い水準になっているといいます。今回の信託報酬引き下げ対象になった銘柄の中には、時価総額加重平均型の全世界株価指数(FTSE 全世界株価指数)に連動するバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)もあります。「個人投資家が選ぶ!Fund of the Year」入賞の常連で、以前は優勝したこともあります。VTの信託報酬は年0.07%から年0.06%に引き下げとなります。VTは2008年に米国で新規設定され、日本国内では2009年から取り扱いが始まりました。当時の信託報酬は年0.30%でした。今から見ると安くはないかもしれませんが、当時では低コストといえる水準でした。一方で当時の信託報酬を振り返ると、バンガード社が一貫してコスト引き下げを続けてきたのが分かると思います。なお、VTにファンド内で投資している日本の全世界株式インデックス投資信託や、VT+バンガード社の全世界投資適格債券投資信託に投資をしているバランスファンドは複数あります。そうした投資信託へのコスト低下にも寄与する話です。
コメント