こんにちは、経済評論家山崎元氏が「『お金のライフプランニング』の勘所」と題した記事を楽天証券コラムサイト「トウシル」に掲載しました。機会費用を見落とさず、埋没費用(サンクコスト)にこだわらない、平均値ではなく自分の数字で考える、金融機関の言い分を疑うことが重要と述べています。その上で①稼ぎと働き方が大切②お金の柔軟性を活用③人生の変化を覚悟④シンプルに運用-を挙げています。金融機関や金融機関に紐づくファイナンシャルプランナー(FP)にとって耳の痛い話を連発していますが(笑)、多くの人にとってためになり、考え方の基本になると思います。
「良い人生」が目的
詳しい記事の内容は上のリンクからご覧ください。山崎氏はライフプランニングの目的として「より良い人生を送る」を掲げています。印象に残った点をかいつまむと、2019年に話題になった「老後2,000万円問題」はまさに平均値の話で、2,000万円なくても十分に暮らせる人や反対に2,000万円あっても全く足りない人がいます。「平均値の物語は誰も安心させない」と切り捨て、自分の数字で計算する方法を伝えることが大事だと訴えています。生命保険の代理店を併営しているFPは利益相反の問題をはらんでおり、「保険を売っているFPには相談してはいけない」と述べてます。筆者もFPですが大筋で同意します。山崎氏はさらに人生では仕事上や健康状態、家族の状況が大きく変化することがありえ計画通りには進まないとした上で、プランニングの意味がなくなるわけではなく修正していけばいいと語っています。
低コスト全世界株式インデックス投信1本で
山崎氏は、運用は若くても、高齢でも、低所得でも、高所得でも同じかつシンプルに「最も効率のいい運用対象」を選んでいいと強調しています。違いは運用資産の総額とリスクを取る大きさだけといいます。2024年から始まる新少額投資非課税制度(新NISA)の運用では、つみたて枠も成長投資枠も同じ運用対象でよく、時価総額加重平均型で低コストの全世界株式インデックスファンドがいいとしています。長期投資に向かない商品は短期投資でもダメなので、つみたて枠で不採用の金融商品を成長投資枠で投資する理由はないとしています。つみたて枠と成長投資枠の違いは「有利な投資口座への入金ルールの違い」と理解すればいいと述べています。運用の考え方については、全面的に賛成です。新NISAでつみたて枠と成長投資枠の運用商品を変える「成長投資枠戦略」やコア・サテライト戦略は自己矛盾をはらんでおり、全く必要ないと思います。時価総額加重平均型で低コストの全世界株インデックスファンド1本だけでいいです。山崎氏は最後に「お金は使ってこそ意味があるし、お金を使うことは楽しい!」と締めくくっています。この言葉を胸にライフプランニングをしていきたいと思います。
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