こんにちは、経済評論家の山崎元氏が18日、「投資家はどれぐらい『細かい人』になるべきか」と題した記事を楽天証券コラムサイト「トウシル」に寄せました。eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(トレカン)の究極レベルの運用管理費(信託報酬)競争を受けて執筆したとみられます。信託報酬は何ベイシス(1ベイシス=0.01%)の差まで問題にすべきかを考えた小論としています。山崎氏は投資家がどのぐらい細かくあるべきかを決める要素は①運用資産額②個人の時間コスト③本人がどのぐらいケチか―と三つを挙げています。なかなか興味深く勉強になりました。「本人がどのぐらいケチか」など所々に毎度おなじみ「山元節」は炸裂しています(笑)
細かい差は気にせず大らかに
今回の山崎氏のコラムは「インデクスファンドの信託報酬率引き下げ競争」「『運用資産額』と信託報酬の差」「時間と手間のコスト評価」「信託報酬について補足」を題材に山崎氏が信託報酬にどの程度の差までこだわるかを論じ、考え方の一例を示しています。詳しくは上記のリンクからご覧ください。印象に残った個所を紹介すると、個人型確定拠出年金(iDeCo)、積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)などの取り扱い商品のラインナップに、「無視した方が現実的な差」が頻繁に生じると述べています。多少の差を気にせず、選択可能なものの中でその時にベストなものを大らかに選ぶのが現実的な行動だろうとしています。全くもって同意です。個人的な意見を言えば、信託報酬0.1%以内の差は仮に長期間運用し複利で大きくなったとしても、誤差レベルだと思います。このレベルの差になると、通常起こりうる指数との乖離率(トラッキングエラー)の程度で簡単に入れ替わる差です。オルカンとトレカンの名目信託報酬差なんて誤差の最たるものです。
コストの内訳開示を
山崎氏は信託報酬にどこまでの経費が含まれるのかの問題を考えると、米国の投資信託のように経費率とその内訳を問題にすべき時期に来ていると考えているといいます。運用会社の利益だけでなく、コストの内訳の丁寧な開示が必要と訴えます。運用会社は客観的な比較が可能な基準による丁寧な情報開示を期待したいとしています。さらに、指数使用料は公開されていないケースが多いが、コスト自体の水準としても、投資家に対する情報開示としても、問題があるので解決すべき課題だと付記しています。
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