こんにちは、世界的なインフレが進行している中、物価連動国債に注目が集まっています。現状、日本の物価連動国債を個人投資家が自分で買うのは極めて困難です。投資信託を通じて購入するのが現実的です。従来は運用管理費用(信託報酬)が安いものでも年0.44%以上かかっていました。しかし、今年7月末に売買手数料無料、信託報酬年0.275%の物価連動国債投資信託が誕生しました。
DC限定から一般購入可に
東京海上アセットマネジメントが7月27日、東京海上セレクション・物価連動国債(東京海上物価連動国債)を確定拠出年金(DC)限定ファンドから、特定口座などで一般投資家が購入できるようにしました。売買手数料や信託財産留保額は無料で、信託報酬は年0.275%です。DC限定では2004年11月から設定されています。設定以来分配金を出しておらず、利子をファンド内で再投資しているため、効率的な複利運用をしています。純資産総額は25億円弱です。DC限定から取り扱い窓口が広がったことによる、今後の純資産総額の成長に期待したいです。販売会社は楽天証券、マネックス証券、SBI証券、マネックス証券を委託金融商品取引業者とする新生銀行です。
物価の動きに連動
物価連動国債は全国消費者物価指数(CPI)に連動して元金や利子が増減する国債です。表面利率は固定されつつかつ元金額がCPIに連動して変動するため、年2回支払われる利子も元金とともに物価の動きに連動して変動する仕組みになっています。2008年度までに発行された物価連動国債は償還時の元本保証がありませんが、2013年度以降に発行された物価連動国債は償還時に元本保証があります。元本保証は償還時の物価が発行時よりも下落していても発行時元金額(額面金額)で償還が保証されるという意味です。発行時元金額と発行価格(購入最低価格)は入札方式の発行のため、イコールでありません。通常、発行価格はインフレが見込まれるため発行時元金額よりも高くなります。
面白い存在
東京海上物価連動国債は従来の物価連動国債投資信託よりも信託報酬が抑えられ、利子も払い出さずにファンド内で再投資しているため面白い存在だと思います。為替リスクを避けたい債券にとって、低コストの日本の物価連動国債投資信託はいい存在だとも思います。純資産総額が最低100億円、できれば200億円を超え、隠れコストもそれほど発生しないというならばまずまずではないかと思います。人によっては、全世界株などのインデックス型投資信託との分散投資先の一つとして選択肢になるかもしれないと思っています。このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。ただ、個人的な見解ですが、愛称の「うんよう博士」の名前は一見するとあまたにあるボッタクリ投資信託の香りがなんとなく感じてしまいます。なんか、もったいない気もしないでもないです(笑)
楽天証券は全投資信託の購入時手数料が無料で、積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象の低コストインデックス型投資信託を多数そろえています。ちなみに、東京海上物価連動国債も扱っています。
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