こんにちは、でんです。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2021年度第2四半期の運用成績を公開しました。期間の収益率は0.98%、収益額は1兆8,763億円(利子・配当収入6,230億円)でした。2001年度の市場運用開始以降の成績は年平均3.70%、累積収益額は102兆1,946億円(利子・配当収入41兆8,382億円)でした。しっかりと方針を守り、極めて健全に運用しています。
長期投資の恩恵を享受
GPIFは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に25%ずつ分散投資する方針を掲げています。現在の各資産の比率は24%台~26%台と方針を守った投資ができています。国内外の株式、債券に分散投資をすることで、リスクを抑えつつ長期的に安定的な収益を目指した運用をしています。年度によっては収益がマイナスになっている年もありますが、GPIFによると10年以上の期間で元本割れを起こした事例はなかったとのことです。方針を守った長期投資の恩恵を享受できているといえます。加えて累計収益に対する利子・配当収入が41%を占めています。投資が長期間になると、収益に対する利子・配当の割合が大きくなると読み取れます。
日本株は世界の時価総額の比率で十分
GPIFの運用から長期投資の有効性や運用方針を守る大切さが分かります。ただ、日本に住み、日本円で生活費を得て、日本円で年金を得る日本人がそのままGPIFの配分を真似するのは考え物です。確かに債券の場合、債券の値動きよりも為替変動率の方が大きいので、外国債券はリスクに対する収益が見合わなくなってしまいます。株価下落のクッションの役割やリスクを抑える観点から国内債券中心にするのは合理的です。(低金利下での国内債券代替投資先の話は置いておきます)。一方で株式の場合は為替変動率よりも株式の値動きの方がはるかに大きく、しかも長期的には主要通貨間の為替レートは一定のレンジに収まる傾向があります。為替変動率は債券では許容しにくいですが、株式ではそれほど問題にならないといえます。加えて株式は時価総額通りに保有するのが基本です。世界の時価総額における日本株の比率は数%です。株式のうち50%も日本株を保有するのは明らかにバランスを欠いた日本株への集中投資です。しかも、ただでさえ給料や貯蓄、年金など日本円建ての資産が多い中、株式まで日本株を中心にしてしまったら日本円建て資産に相当偏ります。せめて株式は外国株式中心で問題ないと考えます。日本株は時価総額比例配分の全世界株インデックスファンドを通じて保有すれば十分すぎるぐらいです。ちなみに、GPIFが株式のうち日本株を50%にしているのは、国際分散投資と自国の株価底上げを両立するためとみられています。仮にGPIFが株式を世界の時価総額通りの配分にしてしまったら、日本株の暴落は避けられないと思います。だから、GPIFの配分にはGPIFとしての合理性があるのです。
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