S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは2026年10月13日、欧州で設定されたアクティブファンドの運用成績を分析した「SPIVA Europe Mid-Year 2026」を公表しました。今回の調査では、新興国株式アクティブファンドの約7割が、2026年上半期に比較指数を上回ったことが分かりました。しかし、長期成績を見ると、まったく違う結果になっています。
短期成績:新興国株では約7割が指数に勝利!
2026年上半期に比較指数を下回ったアクティブファンドの割合は以下の通りです。
| 投資対象 | 指数に負けた割合 |
|---|---|
| 株式アクティブ全体 | 65% |
| 債券アクティブ全体 | 63% |
| 新興国株式(ユーロ建て) | 33% |
| 新興国株式(ポンド建て) | 31% |
株式アクティブファンド全体では65%が指数に敗北しました。一方、新興国株式ではユーロ建ての約67%、ポンド建ての約69%が指数に勝利しています。新興国株式は国や業種、個別企業の株価変動の差が大きく、銘柄選択によって指数を上回る機会が多かったと考えられます。実際、今回の報告書では、TSMC、SKハイニックス、サムスン電子の3社が、比較指数内のプラスの超過リターン寄与の56%を占めたことも指摘されています。こうした有力企業を多く保有したファンドが好成績を収めた可能性があります。もちろん、次の新興国株式や新興国債券でアクティブファンドが優勢になるかどうかは分かりませんし、事前に読むのは極めて困難です。
長期成績:10年間では約8~9割が指数に敗北!
しかし、長期の運用成績は厳しい結果となっています。過去10年間に比較指数を下回った割合は以下の通りです。
| 投資対象 | 指数に負けた割合 |
|---|---|
| 株式アクティブ全体 | 94% |
| 債券アクティブ全体 | 76% |
| 新興国株式(ユーロ建て) | 87.70% |
| 新興国株式(ポンド建て) | 77.11% |
半年間では約7割が勝利した新興国株式でも、10年間では約8~9割が指数に敗北しています。株式アクティブ全体では94%が敗北しており、長期にわたって指数を上回ることの難しさが分かります。なお、半年間と10年間では集計対象となるファンド群が異なるため、短期で勝ったファンドがそのまま長期で負けたという意味ではありません。
短期的な成績に振り回されない

アクティブファンドが短期的に指数を上回ることは十分可能です(正直今回の記事で取り上げた新興国株式アクティブファンドの勝率は出来過ぎだと思いますが…)。しかし、重要なのは好成績のファンドが存在するかどうかではなく、将来も勝ち続けるファンドを事前に選べるかどうかです。今回の調査でも、その難しさが改めて示されました。なお、SPIVAで使用される比較指数は、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)が採用するMSCI ACWIとは異なります。私は、運用担当者の能力や将来の勝ち組企業を予測するよりも、オルカンなどの低コストインデックスファンドで世界中の企業に幅広く投資する方が合理的だと考えています。短期的な運用成績に振り回されず、長期・分散・低コスト投資を続けていきたいです。
参考資料

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