新興国株式インデックスファンドは、多くの国や企業に分散投資できる商品です。しかし、その中身を詳しく見ると、意外なほど一部の企業に集中していることが分かります。MSCIが公表した2026年9月30日時点のデータによると、新興国株式指数の約29%を、台湾と韓国の半導体関連企業3社が占めています。
1,165銘柄に分散しても上位3社で29%!
MSCI Emerging Markets Index(新興国株式指数)は、1,165銘柄で構成されています。ところが、上位3社の構成比率は以下の通りです。
| 企業 | 構成比率 |
|---|---|
| TSMC(台湾) | 15.63% |
| サムスン電子(韓国) | 7.55% |
| SKハイニックス(韓国) | 5.90% |
| 上位3社合計 | 29.08% |
最大のTSMCだけで15%を超え、上位3社では約3割に達しています。また、指数全体に占める情報技術セクターの割合は約44%、アジア地域は約80%です。新興国株式という名前から、さまざまな国や産業に幅広く分散されている印象を受けますが、実際には台湾・韓国の半導体関連企業への依存度が高くなっています。もちろん、これらの企業は世界的な競争力を持ち、AIや半導体需要の拡大による恩恵も期待できます。ただし、半導体産業が不調になれば、指数全体にも大きな影響が及ぶ可能性があります。
オルカンに新興国株を追加すると?
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は、先進国と新興国の株式に時価総額に応じて投資しています。当然、TSMCやサムスン電子、SKハイニックスも投資対象に含まれています。そこへ新興国株式インデックスファンドを追加すると、投資先の国や企業が新たに大きく増えるわけではありません。すでに保有している新興国企業への投資割合を高めることになります。特に今回のデータを見ると、台湾・韓国の半導体関連企業への投資比率が高まる点には注意が必要です。なお、上位3社で29%という数字は、新興国株式指数内の構成比率です。オルカン全体の29%を占めるわけではありません。
銘柄数が多くても分散効果は同じではない

時価総額加重型のインデックスファンドでは、企業の時価総額が大きいほど構成比率も高くなります。そのため、銘柄数が多いからといって、各企業に均等に分散されるわけではありません。もっとも、特定企業への集中度が高いことだけで、投資対象として不適切とはいえません。新興国株式の成長力に期待して、意図的に投資比率を高めることも一つの考え方です。ただ、私は世界全体の時価総額に応じて投資できるオルカンを中心に、長期・分散・低コスト投資を続ける方針です。重要なのは銘柄数だけではなく、実際にどの国や企業、産業に投資しているのかを理解することだと思います。
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