eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)、いわゆるオルカンは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)への連動を目指しています。世界中の株式に分散できる投資信託ですが、実は世界の投資可能な株式市場を時価総額ベースで約85%カバーする指数です。「全世界株式なのに、残り15%はどこへ消えたのか」と思うかもしれません。ここでいう85%は、世界の上場企業数の85%ではありません。各銘柄の浮動株調整後時価総額を合計した市場規模の約85%です。MSCI ACWIは先進国と新興国の大型株・中型株を中心とする2,461銘柄で構成されています。残りの約15%は、主に世界各国の小型株です。小型株まで含むMSCI ACWI IMIは8,195銘柄で構成され、世界の投資可能な株式市場を約99%カバーします。銘柄数だけを見ると、オルカンよりはるかに広く分散されています。ただし、小型株は1社当たりの時価総額が小さいため、銘柄数が大幅に増えても市場全体に占める割合は約15%にとどまります。2,461銘柄しかないというより、規模の大きな企業を押さえるだけで世界株式市場の大部分を保有できるという話です。
オルカンでも十分に広範囲

オルカンだけでも分散投資として十分に広範囲だと思います。大型株や中型株には、世界を代表する企業の多くが含まれています。小型株を含まないから不完全で、投資先として問題があるというわけではありません。低コストで管理しやすく、世界市場の値動きをおおむね取り込める点は大きな強みです。一方、小型株プレミアムを重視したり、世界の上場株式を可能な限り丸ごと保有したいと考えたりする人にとっては、ACWI IMI型の商品も選択肢になります。ただし、小型株を追加すれば必ず高いリターンになるわけではありません。商品によっては信託報酬や売買コストが高くなる可能性もあります。オルカンは文字通り世界の全銘柄を買う商品ではありません。しかし、時価総額ベースで約85%を押さえており、個人の長期資産形成には十分すぎるほど広く分散されています。残り15%を持たないことより、低コストの商品を無理のない資産配分で長く保有できるかの方が重要だと思います。

コメント