こんにちは、少額投資非課税制度(NISA)の下級条件である成長投資枠対象の国内株式アクティブファンドの10年累積リターンは56%が東証株価指数(TOPIX)を上回っていると日経電子版が報じました。アクティブファンドは、インデックスファンドに8~9割以上は負ける傾向にあり、運用期間が長ければ長いほど負ける割合が大きくなるのが基本なので、一見すると驚きの結果です。しかし、「日本株式アクティブファンド大勝利」にはからくりがあって、大型株式型や中小型株式型など様々な形の運用形式がごちゃごぢゃに混ぜてあります。少なくとも中小型株式は大型株式の指数であるTOPIXと比べるのは不適切です。プロの広島カープとアマチュアチームの広陵高の選手の成長率を比較しているぐらいずれています(苦笑)日経編集委員で「日経の良心」として知られる田村正之氏もTOPIXは大型株式投資信託と比較するのが妥当で、記事中のアクティブファンドが中小型株式などが混ざっている以上、TOPIXとは比較対象にならないと突っ込みを入れています。個人的には、日本株式アクティブファンドをヨイショし、金融業界への思いやりがあふれる案件(提灯記事)であるという疑いはぬぐえないと感じてなりません。
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生存者問題を考慮した大型株式同士で比較すれば…
詳しい記事の内容や田村氏の「ひとこと解説」は上のリンクからご覧ください。田村氏は過去10年のうち前半、中小型株式は非常に好成績だったと補足説明しています。さらに、成績が悪く途中で運用をやめた投資信託が除外されると残った投資信託の成績は良く見えます。これを生存者問題(サバイバーシップ)といいます。大型株式同士で比較し、サバイバーシップを考慮した米国S&P500のデータでは、日本株式アクティブファンドも、10年間でTOPIXに大きく負け越していると強調しています。ただ、アクティブファンドが対象指数に惨敗し続けている海外株式に比べ、相対的には日本株式アクティブファンドは大健闘しているとも付け加えています。
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