上場投資信託(ETF)を除く11月の追加型公募投資信託の純流入額は1兆3,936億円の流入で、3月(1兆5,875億円)以来の高水準でした。日経電子版が報じました。報道によると、株式や債券を一定の割合で組み入れるバランスファンドの流入が増えたといいます。海外株式投資信託の流入額は7,980億円と前月から微増でした。微増とはいえ、海外株式投資信託の流入額が大半を締めている状況は何も変わりません。世界の株式時価総額の95%が外国株式である点を考えても、外国株式が流入の中心になるのは何らおかしくはなく、むしろ当然の動きといえます。
下らない「円安陰謀論」

詳しい記事の内容は上のリンクからご覧ください。報道によると、純資産総額2位で純流入額トップを誇るeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)などが買われたといいます。オルカンが多くの投資家に購入されるのは極めて自然な行動だといえます。なお、記事では「少額投資非課税制度(NISA)を通じた世界株式投信への積み立て投資が継続的な外貨買い、円売り要因となっているとの指摘もある」とどさくさに紛れて根拠の乏しい陰謀論めいた一文が記載されていますが、極めて疑わしい指摘です。外国為替市場における個人投資家の外国株式投資信託購入を通じた円売りの割合は極めて小さいと複数の専門家が指摘しています。ある専門家は2024年1月から5月まで投資信託などを通じた外国証券投資は5兆6,000億円強で、ひと月20日(営業日)として1日に直すと500億円規模がドル買いに向かっていると明かしています。その上で、為替市場の規模は1日7~8兆円であると示しています。よって、NISAを通じた海外資産投資を円安の「犯人」扱いするのはいくら何でも筋が違うと結論づけています。「円安陰謀論」(笑)が勝手に独り歩きし、「NISA日本株式限定枠導入論」なんて噴飯ものの提案がなされるのはもってのほかです。「円安陰謀論」や「NISA日本株式限定枠導入論」を唱える専門家や金融インフルエンサーは「恥を知れ」と批判されても仕方ないと思います。


コメント