こんにちは、金融庁は高齢者向けの少額投資非課税制度(NISA)を創設する検討に入ったと16日付日経朝刊1面に掲載されました。日経朝刊によると、2026年度の税制改正要望に盛り込む方向だといいます。運用益を分配金として払い出す「毎月分配型」の投資信託を高齢者に限定して対象に加える案が浮上しているといいます。「プラチナNISA」と銘打ち、高齢者が運用資産を計画的に活用できるようにするといいます。報道が事実である前提で話を進めます。検討する価値がまったくない愚策の極みで、税金の無駄遣いにしかなりません。「プラチナNISA」なんていう名前は誰が考えたギャグですか(苦笑)高手数料と元本を取り崩す「タコ足」分配オンパレードの最低最悪の劣悪金融商品に過ぎない毎月分配型投資信託を高齢者に限り認めるとか、高齢者の資産を金融機関が食い物にしていいと国がお墨付きを与えるようなものと言って過言ではありません。金融機関の手数料巻き上げを強力に後押しする「忖度NISA」に他なりません。税制改正要望に盛り込むどころか、検討することすら断固反対です。
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毎月分配型は投資価値なし

詳しい記事の内容は該当日付の日経朝刊か日経電子版(有料会員限定記事)をご覧下さい。楽天証券に口座を開設し、取引アプリ「iSPEED」をダウンロードすれば「日経テレコン」からも一定期間読めます。毎月分配型は諸経費を控除した配当金や利子のみならず、値上がり益、投資元本までを分配金の原資として平気で払い出す金融商品です。諸経費を控除した配当金や利子だけを分配している上場投資信託(ETF)とはわけが違います。投資信託でも、ETFでも、個別株式でも配当金や分配金は払い出されたら、払い出された分だけ運用資産が減ります。天から降ってくるものではありません。特に毎月分配型は分配金を無理やり捻出するために不健全な比率で平気に分配してきます。理解しがたい金融派生商品(デリバティブ)取引を駆使しているタイプも少なくなく、手数料も一般には高くつきます。高齢層にも投資する価値は全くありません。資産形成層も、高齢層も、誰でも「長期分散低コスト」に合致する時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドで運用し、ファンド内で配当金を再投資し国内配当課税を繰り延べる形で効率的な複利運用をするのがシンプルで合理的です。取り崩したいならば、ネット証券などにある「定期売却サービス」を使えば済む話です。低コストの全世界株式インデックスファンドを効率的に運用し、好きな頻度で定額や定率で取り崩せます。例えば、楽天証券ならば、定額、定率、期間指定(最終売却年月指定)から選択できます。わざわざ手数料が高くワケの分からない運用をしている毎月分配型投資信託を選ぶ理由は一つもありません。
金融機関のためでしょ

日経朝刊によると、年金を主な収入源とし、元本を取り崩すリスクがあっても毎月の生活の下支えにつなげたい高齢者のニーズが強かったとしています。毎月分配型の投資信託を購入する際にNISA口座の資産を売却せず移行できる措置を検討するといいます。こんなスイッチングいらないです。金融機関の悪質な営業に悪用されるのだけの「(自主規制)」スイッチングです。高齢者のニーズが強いといいますが、実際は対面型金融機関から強力なロビー活動、陳情、泣き落としが政府・与党、金融庁にあったのが想像に難くありません。金融機関の悲願だったのでしょう。記事ではさらに、自民党の資産運用立国議員連盟(会長・岸田文雄元首相)が16日にもまとめる提言案に盛り込み、近く提出する見通しらしいです。こんな提言書をまとめる議連の政治家は「恥を知れ」と言われても仕方ないと思います。高齢者の預貯金を資産運用に回そうという意味合いもあると推察されますが、毎月分配型投資信託を認めるNISA制度を導入する理由には全くなりません。なお、日経朝刊の記事の文末にある「議連は年120万円までのつみたて投資枠の対象を18歳未満にも広げるよう提言する方向だ。提言を受け金融庁も制度改正を詳細を詰める」のくだりには大筋で異論はありません。
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