こんにちは、先日、ある金融機関の少額投資非課税制度(NISA)制度の説明会に機会があって潜入しました。内容は、正直言って露骨なまでに自社でNISA口座や旧NISA口座を開設してほしいと繰り返していた内容でした。ある意味潔いなと思いました(苦笑)NISAと旧NISAの説明を最低限にとどめた上で、代表的な定期預金や普通預金の利回りと株式投資信託(どんな資産クラスの株式投資信託なのかすら明らかにしていません!)の期待リターンの差を強調したり、運用益が非課税になるからとりあえずNISAがお得という話に終始したりした印象をぬぐえませんでした。驚いたことに、投資をする上でとても大切なリスクの話はほんの少し話した程度で、株式や債券といった資産クラスのリスク、最悪の場合どの程度下落しうるのか、リスク許容度の話は信じられないことに触れられませんでした。
※具体的な内容やどの金融機関によるどこでの説明会などについては、一切お答えできませんのでご了承ください。
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「ドルコスト平均法」をやたら強調
説明会では、一応「長期、積み立て、分散」に基づいて話をしていました(とても大切な言葉がすっぽりと抜けている話は後述します)。長期間複利の力を借りて投資する話はよく耳にする話でしたが、なぜか積み立ての話にやたらと力点を置いて話していました。「ドルコスト平均法の言葉を覚えて帰れば『投資をしている』『投資を知っている』『かっこいい』と周りに思われます。ぜひ頭に叩き込んでください」と担当者がドヤ顔で言った時には、私は吹き出すのを抑えるのに必死になりました(苦笑)定額積み立て投資(個人的には定額にこだわらなくてもいいという立場です)の話を理解すれば済む話で、「ドルコスト平均法」なんて言葉は正直覚えなくてもいいと思います。個人的には極めてどうでもいい言葉だと思っています(笑)積み立て投資よりも、長期投資とともにはるかに重要な分散投資についての説明は軽く流し、1分間すらしていませんでした。せめて「卵を同じかごに盛るな」程度の話ぐらいはすべきでは…と感じました。
「低コスト」「リスク許容度」に一切言及なし!
説明会ではなんと、長期投資、分散投資とともに重要な「低コスト」や「リスク許容度」の話がすっぽりと抜けていました。「ドルコスト平均法」の言葉や適当すぎる条件のシミュレーション、どうでもいい用語の由来なんかに時間を割くならば、運用コストを抑えることやリスク許容度に応じた資産配分にすることがいかに大切かという話をすべきではないかと強く感じました(まあ、高いコストの投資信託などを新NISAの成長投資枠で売れと会社から圧力が掛かっている以上、極めて都合の悪い話はしないのは当然なのかもしれませんが…)。投資では運用コストを抑えることやリスク許容度の範囲内にとどめることはとても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても大切です。
「長期、分散、低コスト」が重要
購入(積み立て)のたびに購入時手数料が発生したり、運用管理費(信託報酬)が年1%以上もしたりする投資信託は、運用期間が長期になればなるほど取引手数料無料かつ信託報酬年0.2%以下の低コストインデックス型投資信託とトータルリターンの差を決定的なレベルでつけられます。NISAでも、個人型確定拠出年金(iDeCo)でも、課税口座でも、「長期、分散、低コスト」を忘れないのが大切であり、大原則です。積み立て投資は給与所得者やNISA、iDeCoに合った投資手法という話に過ぎません。広く分散された全世界株式などが時には暴落もあるものの長期ではおおむね右肩上がりで成長し、かつ投資タイミングが読めないならば、期待値上有利なのは一括投資です。積み立て投資の重要度や優先順位は「長期、分散、低コスト」よりも明確に低いと断言できます。さらに、投資対象のリスクと期待リターンの相場を知り、自分のリスク許容度を考えてからNISA口座を開設し、投資を始めても全く遅くはありません。金融機関に言われるがまま飛びつくのはさすがに考え物です。
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