こんにちは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」でランクインしたトップ20の投資信託や上場投資信託(ETF)を今年も不定期連載で紹介しています。第17回目はeMAXIS Slim バランス(スリム8資産)です。先進国、新興国、日本の各株式、各債券、先進国、日本の各不動産投資信託(REIT)に均等な配分で投資をしており、バランスファンドでは大きな人気を集めています。
内外株式、債券、REITに均等配分
スリム8資産は先進国株、新興国株、日本株、先進国債券、新興国債券、国内債券、先進国REIT、新興国REITに12.5%ずつ均等に投資しています。積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象です。売買手数料無料で、維持管理費(信託報酬)年0.143%と極めて低コストです。目論見書で公開されている直近実績の総経費率は年0.19%程度です。純資産総額は2,140億円程度にまで伸びており、国内のバランスファンドではトップクラスの人気を誇ります。設定以来分配金を出しておらず、配当課税を繰り延べる形で効率的な配当再投資による複利運用ができます。1本で複数の異なる資産に投資ができます。
バランスはあまり…
スリム8資産は各資産に均等投資をしており、人によってはバランスが良さそうに見えるかもしれません。実は時価総額比で見ると、バランスは決して良くありません。株式や債券に比べ、著しく市場規模が小さいREITに25%も配分を割いてしまっています。株式部分では、株式の時価総額80%超を占める先進国株に33%しか配分をしていないのに対し、合わせても時価総額の20%に満たない新興国株と日本株に66.7%を傾斜しています。特に株式時価総額の数%にすぎない日本株に33%も割くのは著しくバランスに欠いていると言わざるをえません。債券部分で見ても、国内債券はともかく、新興国債券に33%は配分し過ぎです。加えて、債券やREITを含む投資信託は原則、特定口座などの課税口座での運用するのが基本です。長期になればなるほど株式の期待リターンが一番高く、より多くのリターンが見込めるからです。つみたてNISAやiDeCoは株式100%で運用するのがおおむね得策です。この不定期連載も残り3回ですが、完走したいと思います。
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