こんにちは、投資信託協会は10日、2024年から始まる新少額投資非課税制度(新NISA)で、成長投資枠の対象となる国内籍公募投資信託、上場投資信託(ETF)など第2弾として395本を追加登録しました。6月に発表された第1弾分と合わせた合計本数は1,427本となりました。第2弾で追加された主な低コストかつ長期の資産形成におおむね向いている金融商品は楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)、楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天全世界株)、時価総額加重平均型の全世界株ETF(VT)と、全世界投資適格債券投資信託に投資する楽天・インデックス・バランス・ファンドシリーズ(楽天バランス)などです。ただ、問題が大いにある投資信託もどさくさに紛れて対象になっています。
トレカン、低コスト「シーゲル投信」も対象に
成長投資枠対象となった1,427本の内訳は公募投資信託1,260本、ETFなど167本です。楽天VTI、楽天全世界株、楽天バランス以外で特に注目されるのは、Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(トレカン)です。運用管理費(信託報酬)の算定方法が異なり単純比較できないものの、オルカンを下回る信託報酬となっており、総経費率でオルカンを下回るのかが注目されています。債券、株式、不動産投資信託(REIT)の各資産のリスクが均等になるような配分に設定したバランスファンドTracers グローバル3分法(おとなのバランス)、低コスト「シーゲル投信」の一つとして知られるTracers S&P500配当貴族インデックスも対象となってます。低コストアクティブ型先進国投資信託SOMPO123先進国株式も入っています。
隔月分配型、単一新興国国債投信、〇〇都道府県応援投信…
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一方、どさくさに紛れて新NISAや現行のNISA制度の主旨に合うとは到底思えない投資信託も成長投資枠の対象になりました。隔月分配型は毎月分配型が新NISAの投資対象から除外されたのを受け、新NISAの投資対象にねじ込めるように形を取り繕った悪徳金融商品です。手数料が基本的に高く、諸経費を控除した配当・利子のみを原資とした健全な分配金だけでなく、値上がり益や元本さえも原資とした分配を平気でしてきます。新NISAだろうが課税口座だろうが絶対に選んではいけない類の投資信託です。単一新興国国債の投資信託や〇〇都道府県応援投資信託も特定の投資対象に偏っており、制度の主旨には到底合致しないと思います。単一新興国国債なんて期待リターンに占める為替リスクの割合がで極めて大きすぎます。新NISAで投資する金融商品は、つみたて枠も、成長投資枠も、つみたて枠対象の低コストかつ時価総額加重平均型の全世界株投資信託1本で十分です(全米株、S&P500、先進国株でもおおむねOK)。第2弾で対象になった商品ならば、楽天全世界株、トレカン、楽天VTIあたりでしょうか。第1弾を含めると、eMAXIS Slim 全世界株(オルカン)などです。楽天バランスやおとなのバランスはバランスファンドでは低コストかつ時価総額加重平均型なので素晴らしい金融商品ですが、税制優遇口座の利点を最大限に生かすならば少しもったいない気もします。個人的には課税口座での保有の方が合っていると思います。
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