こんにちは、三菱UFJ国際投信(三菱AM)は13日、低コストインデックスファンドシリーズeMAXIS Slim(スリム)シリーズの基本理念を改めて発表しました。「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」の理念のもと、公正な比較対象となる他社類似の投資信託の運用管理費(信託報酬)がスリムシリーズの投資信託の信託報酬を下回る場合、ファンドの継続性に配慮した範囲で信託報酬を引き下げることを基本にしているとしました。その上で、他社の類似投資信託の中にはスリムシリーズと異なり指数使用料や目論見書作成費用、ファンドの計理業務費用を信託報酬に含めずその他費用にしているものもあると述べました。スリムシリーズの目論見書、運用報告書でファンドの総経費率の開示を進めていくとしました。明らかに年0.05775%で26日に運用を開始するTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(トレカン)を意識した上での基本理念の発表です。三菱AMは既に指数使用料などをその他費用に計上しているトレカンとは信託報酬で公正な比較ができないとして、対抗引き下げはしないとしています。
投信コスト算定基準は統一を
今回の「トレカン騒動」は信託報酬の算定基準が運用会社によって異なる場合があるとクローズアップされました。信託報酬どころか、総経費率の算定基準さえも各社微妙に違うそうです。実際、同じ指数に連動する2社の投資信託の運用報告書で総経費率がより安く算定された運用会社の投資信託の年間リターンが、やや高く算定された運用会社の投資信託の同期間リターンをトラッキングエラーの影響を排除した上でも下回る事態が出ていると聞きます。投資信託のコスト算定基準は統一してほしいと思います。なお、日本のインデックス投資の先駆者で有名投信ブロガーの水瀬ケンイチ氏のブログによると、水瀬氏の確認取材に対し三菱AMの担当者は①競合ファンドの対抗値下げは、総経費率か信託報酬の二択ではなく総合的に判断②総経費率の開示を進める。先行するいくつかのファンドでは運用報告書だけでなく目論見書にも総経費率を掲載し始めている―と回答したそうです。
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