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GPIF、累積収益額98兆円超

GPIF2022年度第3四半期 時事問題
GPIFの運用資産額、構成割合(GPIFより引用)
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 こんにちは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3日、2022年度第3四半期の運用成績を発表しました。今期の収益率はマイナス0.97%、収益額はマイナス1兆8,530億円(うち利子・配当収入はプラス1兆1,007億円)でした。2001年度の市場運用開始以降の累積収益率は年平均プラス3.38%、累積収益額はプラス98兆1,036億円(うち利子・配当収入プラス46兆4,116億円)でした。運用資産額は189兆9,362億円です。投資方針と資産配分を守って分散投資を続けていても、期間を切り取ればマイナスになる時期は当然あります。今期の収益額は1兆8,000億円を超えるマイナスですが、収益率はマイナス1%未満で特に驚く結果とはなっていません。GPIFは資産配分と投資方針を守り、極めて適切な運用を続けています。

GPIFの該当ページ(サムネイルは2021年度となっていますが、2022年度版に飛びます)

2023年度の運用状況|年金積立金管理運用独立行政法人
年金積立金管理運用独立行政法人のWebサイトです。GPIFの2023年度の運用状況を掲載しています。
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長期的な観点で運用

GPIF2022年度第3四半期
GPIFの2022年度第3四半期と累積の収益率、収益額(GPIFより引用)

 株式と債券に取るべきリスクを守って分散投資をしてたとしても、リターンがマイナスになる期間は当然あります。株式ならば高値から半値以下になることさえもあります。それでも10年、20年以上の長期ならば年平均リターンがプラスの範囲に収束していきます。GPIFの宮園雅敬理事長は2022年度第3四半期のリターンがマイナスになった理由について、米国の金利上昇の一服感等を好感して国内外の主要株式が現地通貨ベースで上昇したものの、日銀がが長期金利の変動幅を拡大する決定をしたため日本国債の金利が上昇し、債券価格が下落した点を挙げました。さらに、ドル円レートが大幅な円高に振れた点も述べています。今後の運営方針は「GPIFは長期的な観点から運用をし、投資原則・行動規範を遵守していく」と述べています。投資方針と資産配分を守った投資を続けるGPIFの姿勢は個人投資家にとってもお手本になると思います。

【お勧め投資本】

 

投資方針を守り分散投資

GPIF2022年度第3四半期
GPIFの運用資産額、構成割合(GPIFより引用)

 GPIFは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に25%ずつ分散投資する方針を掲げています※。国内外の株式、債券に分散投資をすることで、価格変動リスクや為替リスクを抑えつつ長期的に安定的な収益を目指した運用をしています。なお、プラスマイナス7%のずれは許容しています。現在の各資産の比率は24%台~26%台と投資方針と資産配分を守った投資ができています。年度によっては収益がマイナスになっている年もありますが、GPIFによると10年以上の期間で元本割れを起こした事例はなかったとのことです。方針を守った長期投資の結果だと思います。加えて累計収益に対する利子・配当収入が47%超を占めています。長期間投資を続けると、収益に対する利子・配当の割合が大きくなる傾向がうかがえます。

※為替ヘッジ付き外国債券は国内債券に区分

個人投資家はオルカンが基本

オルカン国別比率
個人向け国債2023年3月新発

 なお、株式に関しては「日本株50%+外国株50%」ではなく、「時価総額加重平均型の全世界株」が基本かつ王道であると申し添えます。個人的に日本株50%は日本株に著しく偏った集中投資とさえ思います。日本円で所得を得て日本円で年金を受ける個人ならば、日本株の比率は時価総額加重平均型全世界株の日本株の比率程度(現在数%)以下で十分です。別の言い方をすれば、株式の配分はeMAXIS Slim 全世界株(オルカン)や楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天全世界株)の国・地域別組み入れ比率が参考になります。しかも、株式のリスクは価格変動要因が圧倒的に大きく、為替リスクは運用期間が長期になればなるほど気にしなくていいと思います。なお、債券はリスクに占める為替要因の割合が極めて大きいのでGPIFなどを参考に国内債券中心で問題ないです。なお、為替リスクはおおむねプラスとマイナスの和がゼロのゼロサムゲームで、リスクプレミアムはありません。しかし、GPIFが日本株に多く配分している理由は価格変動リスクや為替リスクを抑えた上で長期的に安定した年金基金を運用する点に加え、公にはしていませんが日本株を買い支える目的あるからとみられています。GPIFが株式を世界の時価総額通りに保有する方針に変更したら、日本株は大きく下落するとみられます。GPIFにはGPIFなりの合理的な理由があります。

【お勧め証券口座】

 

 

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