こんにちは、今年4月から9月にかけ、世界の債券や株式の価値は合計44兆ドル(約6,300兆円)吹き飛び、金額としては半期ベースで過去最大となりました。日経新聞が10月2日付朝刊で報じました。新聞報道を基に筆者が下落率を計算すると17.2%でした。報道によると、歴史的な金利急上昇が債券や株式の価格を押し下げているとしています。しかし、全世界株や個人向け国債変動10年などに分散投資をしているインデックス投資家にとって、投資方針に何ら影響を及ぼすニュースではありません。
債券は76年ぶりの弱気相場
報道によると、世界の債券残高は4~9月に145兆ドルから20兆ドル減り、125兆ドルになりました。6カ月間では記録をさかのぼれる1990年以降で最大の下落額です。ドイツ銀行は「世界の債券市場は第2次世界大戦直後の1946年以来76年ぶりの弱気相場(価格下落)」と指摘しています。報道に基づいて算出できる世界債券の下落率は13.8%です。世界の株式時価総額は110兆ドルから24兆ドル減り、86兆ドルに減りました。減少額ではリーマン・ショック後の2008年10月から2009年3月の11兆ドル減を超え、算出可能な2001年以降で最大です。報道から計算した世界株式の下落率は21.8%です。債券や株式の上昇・下落幅は金額だけでなく、比率を記す必要があると強く思います。なお、債券と株式を合わせた下落額の44兆ドルは世界の国内総生産(GDP)の半分程度に相当します。
資産配分を守り投資を続ける
報道では、英国で年金基金危機が起きかねない状況になったとしています。英国債が急落し年金の金利スワップ(同じ通貨間で固定金利と変動金利を交換する)取引などに評価損や担保不足が生じ、国債が連鎖的に売られました。そのため、年金破綻につながる危険性がありイングランド銀行は国債を買い支えました。他にも欧州の電力会社にも影響が出ているなどと報じています。今後、債券と株価の下落が続くのか、下げ止まるのか、上昇に転じるのか分かりません。もしかすると、リーマン・ショック以来の金融危機が起きるかもしれません。しかし、世界の市場はリーマン・ショックも、新型コロナショックも、その他の暴落、弱気相場、金融危機を乗り越えてきました。全世界株や全米株、S&P500、先進国株は一時的に半値以下になったとしても、いずれ回復し最高値を更新してきました。投資方針とリスク耐性に応じた株式と債券の資産配分を守り、淡々と毎月積み立て(一括)投資を続けていくことが大切です。
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