こんにちは、政府・日銀は22日夕、1998年6月以来24年ぶりとなる円買いドル売りの為替介入に踏み切りました。複数の新聞、通信社が報じました。報道によると、同日の金融政策決定会合で大規模金融緩和の維持決定により低金利で据え置かれる日本と、大幅な利上げを続けている米国との金利差拡大が意識され、円安ドル高に拍車がかかりました。市場で「政府・日銀の防衛ライン」とささやかれていた1ドル145円を超える円安ラインで推移していた同日夕方に伝家の宝刀が抜かれました。ドル円は急激に円高にふれ一時1ドル140円台になりましたが、23日午前3時半現在、142円台前半で推移しています。為替や株価がしばらく不安定に推移するかもしれません。しかし、全世界株などのインデックス型投資信託に長期投資をしている人にとっては、今の変動は誤差程度の問題になる可能性が高いです。もちろん、投資方針に影響を及ぼす話ではありません。
異例の円買い介入
日経電子版によると、日本政府による為替介入は基本的には円高阻止の円売り介入が中心でした。これまでの円売りドル買い介入が319回に対し、円買いドル売り介入は32回にとどまります。前回の1998年6月の円買いドル売り介入は日米両国の協調介入でした。これに対し、今回は日本の単独介入です。政府・日銀は輸入物価高騰による家計の負担増につながる円安を阻止したいとする考えです。鈴木俊一財務相は記者会見で「投機による過度な変動が繰り返されることは決して見過ごせない」と理由を述べました。報道によると、関係者は介入規模を「兆円単位」としています。
日経電子版の記事「円買い介入とは」です。該当記事は無料記事です。他にも円買い介入を扱った有料記事が複数あります。
矛盾
報道によると、市場関係者からは日銀の金融緩和と円買い介入が矛盾していると指摘されています。日本で金融緩和を維持して米国などとの金利差拡大を生み、円安になりやすい環境をつくりながら円買い介入をするのはちぐはぐと言わざるを得ないとしています。金利差の拡大などの明確な理由がある円安を政府が人為的に止めたとすれば、投機筋による矛盾をつく動きを誘発するという見方が多いとされています。介入原資の問題も挙げられています。政府が外貨準備として保有している米ドルや米国債を原資に円を買ってドルを売る介入を実施します。外貨準備が介入可能上限であり、理論的に無制限に介入できる円売り介入と異なります。金融緩和と円買い介入が矛盾しているとする指摘に対し、筆者も全くもって同感です。
為替はカオスだが、やることは変わらない
全世界株や全米株、S&P500、先進国株といった広く分散された時価総額加重平均型のインデックス型投資信託は10年単位以上の長期的には急激な為替変動、暴落、株安、インフレを乗り越えて右肩上がりに成長しています。一方で為替は一寸先は闇であり、長期でも読めないカオスの世界です。外国為替証拠金取引(FX)は世界最大のオンラインカジノであり、魑魅魍魎が(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)するリアル福本漫画の世界です(笑)。積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象で時価総額加重平均型の全世界株などのインデックス型投資信託と、個人向け国債変動10年(変動10)に資産配分を守って投資を続けていきたいと思っています。
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