こんにちは、でんです。50年程度は取り崩す必要がない196兆5,926億円の年金積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2021年度の業況概要書(運用状況)が公開されました。収益率は前年度比プラス5.42%で、収益額は前年度比プラス10兆925億円でした。自主運用開始以降の21年間の年平均収益率はプラス3.69%で、累積収益額はプラス105兆4,288億円にも上ります。長期的視点に立った投資方針をしっかり守って、着実な運用をしていると評価します。
長期投資のお手本
GPIFによると、過去21年間で名目運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いた実質的な運用利回りはプラス3.78%となり、GPIFが掲げる長期的な運用目標を上回っています。累積の配当、利子などからなるインカムゲインは43.3兆円で、累積収益額に対し40%を超えています。複利効果を得るためにインカムゲインを再投資しているとしています。四半期別に収益率を分析すると、第1~第3四半期はプラスリターンで推移しましたが、第4四半期はマイナス1.10%でした。第4四半期はロシアによるウクライナ侵攻で国内外株式が下落しましたが、第1~第3四半期は堅調に推移しました。総じてみれば、第4四半期でやや失速したとはいえ、好調な1年だったといえるでしょう。運用の考え方や資産配分を守る姿勢は長期投資のお手本となり、個人投資家にとっても多くの学びを得られると思います。
投資配分をそのまま真似するのは…
GPIFは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に各25%を目安とした配分で投資をする方針を掲げています。しかし、日本に住み、日本円で生活し、日本円で年金をもらう個人投資家がGPIFの配分をただそのまま真似をするのは考え物です。まず、株式と債券の比率を50%ずつにするのは確かに資産配分の一つの目安ですが、個人投資家の置かれた環境、リスク耐性によって適切な比率は変わってきます。さらに、株式の暴落、調整局面でクッションの役割に期待する債券はともかく、株式投資は世界の時価総額通りに投資をするのが基本です。それなのになぜGPIFが日本株に50%もの割合を割くかと言えば、GPIFなりの合理的な理由があるからです。GPIFには年金運用とともに、日本株を買い入れ、日本経済を支える役割も担っています。国際分散投資と両立するため株式における日本株の比率を50%とするのはごく当然だと思います。仮にGPIFが世界の時価総額通りの配分に変更してしまったら、日本株に甚大な影響を与えかねません。一方、日本の個人投資家までがGPIFの配分通りに投資してしまうと、個人の投資資産とGPIFの運用資産の成績が極めて似通ってしまいます。個人投資家は全世界株に時価総額通りに投資するのがいいと考えます。一方、債券はリターンに対して為替リスクが決定的な役割を果たすのに加え、株価下落局面で円高になりやすい特性があります。国内債券、外国債券を半々ずつにするのは個人投資家でもありだと思います。個人的には個人向け国債変動10でもいいとさえ思っています。
GPIFのWebサイト
GPIFの運用状況ページ
GPIFの運用方針
GPIFは長期投資を基本に、銘柄や資産構成、国際分散を心掛けています。運用方針(一部)を画像で示します。ちなみに、年金積立金の運用総額は時価総額世界4位のアルファベット(グーグル)の時価総額に匹敵します。
※画像は昨年のものですが、GPIFの運用方針の土台は変わっていません。
このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。今回はいつもの週1回のおまけがあります。
先週は2,000円投資しました
先週の広島カープの結果を基に2,000円投資をしました。火曜日から木曜日までの記憶がありません(嘘)。いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも、いつも同じチームに負け続けるのは正直面白くありません。毎日敵として某健康飲料を1本飲んで血肉にしています。多分、カープに対し某虎党や某浜党も近い感情を抱いているのは想像に難くありません。歴史的な大接戦だった昨年のセ・リーグのペナントは、結果としてほぼカープがキャスティングボードを握っていたといっても過言ではありませんでした(苦笑)。今年も相性の良し悪しがそのまま引き継がれている印象です。
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