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好調相場こそ備え

S&P500.20210108 株式投資の心構え
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 こんにちは、でんです。7日の米国市場は株価が続伸し、主要500社で構成されるS&P500指数、米国を代表する大企業30社によるダウ平均、金融株を除くハイテク大型株指数100社によるNASDAQ100指数がともに史上最高値を更新しました。8日の日本市場も続伸し、東証株価指数(TOPIX)が昨年来高値、日経平均がバブル後最高値を更新しています。もう、何が起きても株価が上昇するんじゃないかといった空気です。好調相場で浮かれそうになったり、資金を株式につっこみたくなったりしたくなる時こそ、冷静にしっかりと備えをしたいものです。自分のリスク許容度を再確認し、市場に残り続けられる資産配分で投資を続けることが大切です。一つ注意ですが、好調相場のうちに全額売却して利益確定し、暴落したら再度買い付けようとするのも全くお勧めできません。

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冷静に投資続ける

  • リスク許容度を確認
  • タイミング投資は困難
  • 市場に残り続ける
S&P500.20210108
S&P500指数の1年チャート
TOPIX.20210108
TOPIXの1年チャート
日経平均の1年チャート

(上から)S&P500指数、TOPIX、日経平均の1年チャート。いずれも2020年2~3月の暴落後、右肩上がりで上昇している(チャートはtradingview日本語版より https://jp.tradingview.com/)

 国内では新型コロナウイルスの感染者が急拡大し、首都圏4都県に緊急事態が再宣言されています。米国を見ると上院で民主党が多数派を取り、政権、上下両院ともに勝利しました(民主党が政権、上下両院で多数派を占める「ブルーウエーブ」は一般に株式市場にマイナスとされます)。トランプ氏支持者が議会を占拠する混乱も起きました。いずれも株式市場にとってマイナスの状況が起きているのにも関わらず、株価が上昇しています。もう、何が起きても上昇するんじゃないかといった空気です。こういう相場の時こそ、しっかりと備えをしたいものです。好調相場はいつか終わり、暴落はいずれ必ずやって来ます(いつかは分かりませんが)。自分のリスク(価格のブレ幅)許容度を見直し、株式と、債券や個人向け国債、待機現金とのバランスをしっかりと取っていきたいです。自分が投資を始めた当初考えていた資産配分とずれていないか確認する好機です。もちろん、生活防衛資金は別に確保しておくのが大前提です。筆者は生活費の2年以上を勧めています。

 

 

敗者のゲーム [ チャールズ・エリス ]

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感想(15件)

お金は寝かせて増やしなさい [ 水瀬ケンイチ ]

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感想(26件)

 「新型コロナウイルスの感染者が拡大しているのに株価上昇はおかしい」と思っている人もいるかもしれません。筆者自身も違和感があり、引っかかっている部分でもあります。しかし、株式を全額売って利益確定し、暴落のタイミングを図って投資しようという考えは絶対に賛成できません(株式の一部を売却し、債券などとの資産配分のバランスを戻すリバランスならば問題ありません)。株式投資のタイミングを図るのはプロでも難しいです。日本のインデックス個人投資家の先駆者である水瀬ケンイチ氏は「投資ブログを15年以上やっていて、よく知る投資家さんが『過熱感を感じる』といって市場から“一旦退却”するのをたくさん見てきました。しかし、その後の上げ相場を逃し続け、数年後にようやく暴落した頃にはもう投資自体をしていないという事例を多く見てきたことから、タイミング投資の難しさを思い知りました」とSNS上で指摘していました。筆者を含め、先人の言葉を胸に刻みたいです。※ちなみに、この状況下で株価が上昇している要因は①各国の中央銀行(中銀)が金融緩和を実施し、市場で余った現金が株式市場に向かっている②ワクチン開発で感染収束を織り込みつつあるーなどが挙げられています。

敗者のゲーム長期
1980年から2008年の間、ベストの何日かを逃した場合のリターンへの影響(チャールズ・エリス著 敗者のゲームより抜粋)
敗者のゲーム超長期
1928年に1ドルを投資した場合の2008年末の累積資産額と特定の上げ相場を逃した場合の影響(チャールズ・エリス著 敗者のゲームより場抜粋)

 米国の投資顧問会社や投資銀行でらつ腕を振るってきたチャールズ・エリス氏の名著「敗者のゲーム」にはタイミング投資の困難さや危険さが示されています。1980年から2008年の間、最も上昇したベスト10日(期間全体の0.25%未満)を逃すだけで、リターンが年11.1%から8.6%と2割以上も下がります。ベスト30日(期間全体の0.5%)を逃すとリターンが年5.5%に半減してしまいます。28年のうちの30日の上昇を逃すだけでです。さらに長期で分析すると、過去75年間の株式リターンの大部分は、上昇率のベスト60カ月(5年間、全体のわずか7%)に達成されているとされています。110年間で上昇ベスト10日を逃すだけで、利益の3分の2を失うという試算もあります。例えば1928年にS&P500指数に1ドル投資した時の2000年の累積資産額は1万7000ドル弱です。しかし、1933年の上昇を逃すと1万1000ドルになります。1933年、1935年、1954年の上昇を逃すと4900ドルにまで下落します。エリス氏は著書の中で「投資家は『稲妻が輝く瞬間』に市場に居合わせなければならないということだ。相場のタイミングに賭ける投資は間違っており、決して考えてはいけない」。と市場に残り続ける重要性とタイミング投資の危険性を強調しています。

 このブログに来ていただき、最後まで読んでくださってありがとうございました。適切な資産配分で皆様とともに市場に残り続けていきたいです。

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