こんにちは、でんです。1日に新社会人となられた皆様、おめでとうございます。新生活で不安と期待が織り交じった気持ちだと思います。無理せず、こつこつと一つ一つ仕事を覚えていけば大抵大丈夫です。皆様の前途を期待しています。さて、公的年金に加え勤務先に企業年金が設定されているケースがあります。確定給付企業年金(DB)ならば自分で運用する必要はありませんが、企業型確定拠出年金(企業型DC)の場合、運用商品を自分で選ばなくてはなりません。企業型DCでは株式投資信託や債券投資信託、株式と債券などを組み合わせたバランス型投資信託、預貯金などを運用できます。どれを選ぶか迷いそうです。元本保証される預貯金にしてしまう人も一定以上います。しかし、筆者は基本的には株式投資信託で、株価指数に連動するインデックス(パッシブ)型一択だと考えています。
長期運用では株式が圧倒的に有利
株式や債券、預貯金などの中で長期的には株式が一番リターンが見込めます。米国公認証券アナリスト会長などを歴任したチャールズ・エリス氏の名著「敗者のゲーム」によると、長期になればなるほど、株式の年平均リターンは債券などに比べ、プラス域で安定してきます(表上)。株式のリターンは運用1年では+50%強~40%弱とリスク(ブレ幅)が高いですが、25年になると年平均+数%から十数%と安定します。インフレを考慮した場合、預貯金では物価上昇によるインフレ負けしてしまう恐れがあります。米国の経済学教授のジェレミー・シーゲル氏の「株式投資」によると、1801年の1ドルは株式に投資した場合、インフレを考慮しても200年後に75万5,163ドルにまで大きくなります(表下)。債券などと比べても圧倒的な増加率です。一方で1ドルを現金のままにしていた場合、インフレによって200年後にはわずか6セントの価値にまで下落してしまいます。比較的インフレ率が低い日本にいると実感はできませんが、今後も低インフレが続くかどうかは分かりません。企業型DCは10年以上の単位で続けていくものです。新卒で定年まで続ければ運用期間は40年前後になります。しかも運用期間中の運用益などは非課税です。株式100%で運用するのが得策だといえます。
先進国株インデックス型投信を探して
企業型DCで運用する株式投資信託は可能な限り低コストの先進国株インデックス型投資信託がいいです。本当は低コストの全世界株や全米株、S&P500のインデックス型投資信託があればそちらも選択肢になりますが、企業型DCでは扱っていないケースが多いです。その点先進国株インデックス型投資信託ならば、ほとんどの企業型DCで扱われています。ちなみに先進国株の株価指数名はMSCIコクサイと言います。日本を除く先進国株を時価総額通りに投資しています。国別比率では米国が70%程度を占めます。プロが運用するアクティブ型投資信託よりも、インデックス型投資信託の方が成績がいい傾向にあります。先進国株式や米国株式、全世界株式ならば、おおむね80~90%のアクティブ型投資信託がインデックス型投資信託に成績が負けています。加えて、アクティブ型投資信託の手数料は、インデックス型投資信託の手数料よりも何倍も高いです。
日本株は投資しても数%~10%以内!
インデックス型投資信託だとしても、日本株の投資信託は全くお勧めできません。アクティブ型投資信託は論外ですが、東証株価指数(TOPIX)や日経平均のようなインデックス型投資信託だとしても投資資産全体の数%~10%が限度だと思います。先進国株インデックス型投資信託100%にして、日本株には投資しなくても問題ないとさえ言えます。日本企業に勤め、給料を日本円で得て、年金を日本円で得るのに、企業型DCで運用するリスク資産まで日本株にしてしまったら、日本円建て資産に偏った集中投資になってしまいます。せめて企業型DCの運用資産は先進国株中心にしましょう。加えて、仮に新興国株に投資ができたとしてもリスクが非常に高いので運用の中心に据えるのはやめた方がいいです。どうしても投資したい場合は、日本株と新興国株を合計して10~20%以内に留めるのが賢明だと思います。
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