こんにちは、でんです。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年3月末時点で、経営破綻が懸念されている中国不動産大手恒大集団の株式と社債に計約96億円投資していると報道されました。よく分からないで数字を見ると、国民の年金基金を破綻が懸念される会社に96億円もの大金を投資しているなんてと思う人もいるかもしれません。しかし、GPIFが今年3月末時点で運用している資産額は約186兆円です。資産全体に占める割合は0.005%です。投資信託や上場投資信託(ETF)で世界最安クラスの経費率とされるバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の信託報酬は年0.03%です。そこからさらに一桁小さい数字です。仮に恒大集団が破綻して株式や社債の価値がゼロになったとしても影響は極めて小さく、不安になる必要はありません。
表面的な数字で判断しない
個人にとって96億円は大金です。筆者自身も生涯で手にすることはないと思います。しかし、180兆円超を運用しているGPIFにとって、96億円が占める割合は0.005%と小さいです。個人投資家の規模に置き換えると、例えば1,000万円の0.005%は500円です。吉野家の牛丼でも種類によっては食べられません。100万円ならば50円です。コカ・コーラ1本も買えません。GPIFにとって恒大集団の破綻危機の話は影響がないといって過言ではありません。ちなみに、GPIFは世界中の株式約5,700銘柄、世界中の債券約1万5,000銘柄に分散投資しています。表面的な数字や情報で判断しようとすると、間違った結論や推論に至ってしまう恐れがあります。
このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。一部メディアがGPIFの恒大集団への投資額だけを報道していました。丁寧さに欠いた記事で、いたずらに国民の不安をあおる恐れがあると感じました。
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