財務省は2026年10月22日、財政制度等審議会の資料で、日本企業の利益や人件費などの推移を公表しました。それによると、2015年度から2025年度までの10年間で、企業の経常利益は83%増加した一方、人件費は19%増にとどまりました。さらに、株主への配当金は107%増加しています。企業の利益と労働者への支出、株主への還元では、増加のペースに大きな差が生じています。
企業利益83%増、人件費は19%増!
財務省が示した10年間の主な変化は以下の通りです。
| 項目 | 2015~2025年度の増加率 |
|---|---|
| 経常利益 | +83% |
| 人件費 | +19% |
| 設備投資 | +36% |
| 配当金 | +107% |
| 内部留保(大企業) | +88% |
| 内部留保(中堅企業) | +89% |
| 内部留保(中小企業) | +47% |
※主に財務省の法人企業統計に基づく名目金額の比較。金融・保険業を除く企業部門の集計で、上場企業以外も含まれます。
2025年度の経常利益は過去最高となりました。また、上場企業による自社株買いの金額も、10年間で247%増加しています。企業が生み出した利益は、人件費や設備投資だけでなく、配当金や自社株買いなどを通じて株主にも還元されています。ただし、人件費19%増は支出総額の変化であり、従業員一人当たりの賃金が19%上昇したという意味ではありません。
企業の利益成長と賃金上昇は別問題

企業の利益が増加しても、それが同じ割合で賃金に反映されるわけではありません。事業への再投資や内部留保、株主還元など、利益の使い道はさまざまです。また、今回の数字は物価上昇を差し引いていない名目金額です。企業の利益が大きく増えることと、労働者の実質的な所得が同じように増えることは別問題なのです。
働くだけでなく、企業の所有者にもなる
労働者は働くことで賃金を受け取りますが、株主は企業の所有者の一人として、配当や株価の変動を通じて企業活動の成果に参加できます。もちろん、企業利益が83%増えたからといって、株価も83%上昇するわけではありません。株価は将来の利益成長への期待や金利、市場環境などにも左右されます。それでも、労働所得だけに依存せず、資産所得を得られる仕組みを持つことには大きな意味があります。
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