3日から30日まで募集されている2026年10月15日発行の個人向け国債変動10年(変動10)の初回適用金利が年1.95%(税引後年1.5538575%)に設定されました。前月募集の年1.87%から0.08ポイント上昇しています。算定基準となる10年固定利付国債の金利は2.96%で、前月の2.83%から0.13ポイント上がりました。変動10の金利は「基準金利×0.66」で算出され、半年ごとに見直されます。最低金利年0.05%も保証されています。金利は数年前とは完全に別世界になりました。変動10の年1.95%は、超低金利時代なら想像しにくかった水準です。今後も長期金利が上昇するか、反対に低下するかは分かりません。ただ、変動10なら金利上昇時には半年ごとの見直しで適用金利が上がる一方、低下しても最低金利があります。「長期分散低コスト」に基づく時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドと組み合わせる無リスク資産として、引き続き最有力候補の一つだと思います。なお、今回の固定5年は年2.24%(税引後年1.7849440%)、固定3年は年1.96%(同1.5618260%)です。前月の2.06%、1.71%からそれぞれ0.18ポイント、0.25ポイント上昇しました。固定5年はついに2%を大きく超えています。
預貯金より基本的に金利が高い
変動10の年1.95%は、三井住友銀行の10年定期預金の標準金利年1.25%と比べて約1.56倍です。同じく普通預金金利年0.40%と比べれば約4.88倍になります。メガバンクの預金金利もかなり上昇しましたが、それでも変動10の方が高いです。楽天証券との口座連携サービス「マネーブリッジ」を設定した楽天銀行普通預金は、1,000万円以下の部分で年0.48%です。これと比べても変動10は約4.06倍です。楽天証券のMRF「楽天・マネーファンド」は直近の7日間平均利回りが年0.865%程度となっており、変動10は約2.25倍です。MRFも金利上昇でかなり魅力的になりましたが、長期間使わない無リスク資産という用途なら、個人向け国債の利回りは依然として強いです。しかも、外国債券と違って為替リスクはありません。株価や為替が大きく動いても、個人向け国債変動10年の元本や適用金利の仕組みが直接揺さぶられるわけではありません。プレミアム定期預金をネットの海から発掘すれば、さらに高い金利の商品もあるでしょう。ただ、私は超絶めんどくさいので探し回る気はあまり起きません(笑)。同程度の金利ならば、信用力や商品性を考えて個人向け国債を選びます。
最も安全な無リスク資産
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/houdouhappyou/p20260902.pdf
個人向け国債は財務省が毎月発行しています。満期は変動10なら10年ですが、発行から1年を経過すれば国による買い取りでいつでも中途換金できます。その際には直前2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれます。今回募集分も9月3~30日募集、10月15日発行です。通常の債券と違い、市場価格で売却するわけではありません。日本政府が債務不履行にならない限り、中途換金しても額面ベースで元本割れしません。預貯金も極めて安全ですが、銀行預金は金融機関への債権です。個人向け国債は日本政府への債権なので、国内の円建て無リスク資産としては最も信用度が高いと考えていいと思います。弱点は流動性です。普通預貯金やMRFなら必要な時に比較的すぐ現金化できますが、個人向け国債は原則として購入後1年間は中途換金できません。したがって生活防衛資金のすべてを入れる商品ではありません。1年以上使う予定のない無リスク資産の置き場として考えるのが自然です。
定期預貯金の上位互換
普通預貯金の最大の強みは、必要な時にすぐ使えることです。MRFも元本保証こそありませんが、安全性と流動性が非常に高く、待機資金の置き場として便利です。この部分は個人向け国債より明確に優れています。一方、定期預金になると話は少し変わります。途中解約すると当初予定した金利が適用されない商品が一般的で、一定期間資金を拘束される点では個人向け国債と似ています。それで現在の一般的な10年定期が年1.25%程度なのに対し、変動10は年1.95%です。しかも変動10は半年ごとに金利が見直されます。個人的には、普通預貯金は生活防衛資金、MRFは比較的近いうちに使う待機資金、個人向け国債変動10年はそれより長期間使わない無リスク資産、と役割を分けるのが分かりやすいです。金利上昇によって預貯金やMRFも以前よりはるかに魅力的になりました。それでも、安全性、利回り、金利上昇への追随性を合わせて考えると、変動10は依然として非常に優秀です。全世界株式インデックスファンドというリスク資産と組み合わせる無リスク資産として、今月も有力な選択肢であることに変わりはないと思います。

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