衆院選の公約で、立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合(中革連)は公的年金積立金を消費税減税などの財源として活用する案を訴えています。日経電子版が中革連の政策を紹介した上で公的年金積立金は運用益も含めて今後100年の給付財源として織り込み済みだとツッコミを入れています。さらに流用すれば将来世代の給付水準が低下しかねないと警鐘を鳴らしています。しごくまっとうで、当然の結論です。個人的には子どもや孫、子孫のために運用しているお金を中革連の支持者が多いとされる今の高齢者にばらまこうとする話にしか思えてなりません。投票に行く方に見ていただきたい記事だと思います。
積立金の目的から矛盾
詳しい記事の内容は上のリンクからご覧ください。記事によると、中革連は食料品の消費税ゼロや社会保険料負担の軽減の原資確保策として「政府系ファンド(ジャパンファンド)の創設や基金の活用などによる財源確保」を訴えています。年金積立金の他には、外国為替資金特別会計(外為特会)や日銀が保有する上場投資信託(ETF)の活用を挙げているといいます。500兆円の原資があれば年金などに必要なリターンを確保した上で、さらに年1%分(5兆円)の財源を生み出せると訴えてきています。ただ、中革連は批判を浴び、最近は発言を微妙に修正しているようです。1日のNHK番組で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のノウハウを活用するとして「年金積立金に手をつけるつもりはない」と釈明したと報じています。ただ、減税財源に年金積立金の運用から生じる収益を含むかどうかは判然としないないようだったといいます。厚生年金保険法や国民年金法で、公的年金の積立金は「専ら被保険者の利益のために」運用すると定められています。中革連の主張はこの定義から真っ向から矛盾しています。
無責任極まりない

日経電子版では日本の公的年金と流用した場合の想定される影響を説明しています。記事によると、原則、高齢者が受け取る年金の原資を現役世代が払う「仕送り」方式です。財源は主に保険料で、基礎年金は半額を国費で賄っています。保険料収入から給付支出を差し引いたお金が年金積立金の主な原資となっています。少子高齢化で支え手が細る将来への備えであり、GPIFが足元でおよそ280兆円ある厚生年金と国民年金の積立金を運用しています。うち180兆円が累積の収益です。厚労省はおおむね100年後に1年分の年金給付費を賄える積立金を残せるよう、5年ごとに公的年金の財政検証をしています。直近の2024年の検証では、実質ゼロ%程度の成長にとどまるシナリオの場合、現役世代の平均手取り収入と比べた基礎年金の「所得代替率」は約30年後に30%低下するといいます。厚生年金を合わせても18%ほど下がる見込みとなっています。消費税減税などに流用すれば当たり前ですが、所得代替率が一段と下がります。運用が想定より好調でも給付水準が一定程度下がるのは避けられません。実質ゼロ%成長ケースで、名目利回りから賃金上昇率を差し引いた運用の実質利回りを1.7%と想定しています。給付額を賃金・物価の伸びよりも抑える「マクロ経済スライド」の調整が完全に終わるのは2057年度とみられています。利回りが好調ならば本来はスライド調整の終了を早めて所得代替率を高めにできますが、流用すればままなりません。インフレが定着すれば、これまでのような水準の実質利回りを確保できないかもしれません。積立金や運用益を流用する余裕があるか。有権者はよく吟味する必要がありそうだと締めくくっています。中革連の主張に私は断固反対です。こんな無責任極まりなく、自分たちさえ良ければ将来世代はどうでもいいっていう身勝手さをどうしても感じてなりません。自分たちの支持層にばらまけばいいのでしょうか。

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