こんにちは、経済評論家で日本のインデックス投資環境や個人投資家、運用会社、販売会社意識改革に多大な功績を残した山崎元氏は生前、様々な切り口や角度で合理的かつ明快な運用の考え方を様々な媒体を通じて発信してきました。2022年9月27日付の楽天証券コラムサイト「トウシル」で「『新しいNISA』時代に必須。個人のマルチアカウント管理」と題した記事を寄稿していました。確定拠出年金の企業型(企業型DC)及び個人型(iDeCo)、少額投資非課税制度(NISA)が利用されるようになった点を挙げ、会社員をはじめとする多くの個人が「マルチアカウント」の運用に関わるようになったと指摘。その上で、五つのルールを紹介した上で「運用は極力シンプルに!」と呼び掛けています。リスク資産は絞れば低コストの時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンド、無リスク資産は預貯金または個人向け国債変動10年で十分としています。多くの人にとってためになり、頭に叩き込み、読み返したい内容となっています。ぜひ、リンク先の山崎氏の記事をご覧ください。
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五つの大原則
詳しい記事の内容は「トウシル」の該当記事をご覧ください。山崎氏は五つの大原則として①問題なのはあくまで「全体」だ!②税制優遇のある口座にハイリターンな資産を割り当てよ③「流動性」を考慮すべし④多数のアクティブ運用のインデックス運用化を避けよ⑤相殺的売買の無駄を避けよーと述べています。今回の記事では、①~③に関し取り上げます。①に関しては課税口座、NISA、iDeCoなどの口座ごとに考えるのではなく、運用口座全体で考えるのが基本だとしています。②はiDeCoや企業型DC、NISAは運用益非課税のメリットがあるので、こうした運用益非課税の口座に期待リターンが高い資産(一般にリスク資産)を集中させることが効率的だと指摘しています。iDeCoや企業型DC、NISAでよく考えずにバランスファンドやターゲットイヤーファンドを購入するのは非効率だと付言しています。③はiDeCoや企業型DCは原則一定年齢まで引き出せない換金性の面で流動性が低い一方、運用対象の入れ替え(スイッチング)が可能なので運用面での流動性は比較的あると指摘しています。現行のNISAは一度投資商品を売却すると売却した資産の簿価(投資時の元本)ベースで翌年に一定金額まで投資枠が復活するもののスイッチングができない点からiDeCoよりも運用面での流動性は低いですが、お金が必要な時に必要分を売却できるので換金性での流動性はDCよりも高いです。旧NISAの資産は一度売却してしまうと売却相当分の節税運用枠を復活することができないので、運用面での制約は極めてあると山崎氏は明かしています。さらに、山崎氏はNISAもiDeCoも老後に手厚く備える意味では、なるべく大きな金額を長く運用する方がいいとしています。特にNISAは将来売却したいニーズが起こりにくい「長期、分散、低コスト」の大原則を満たす時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドが最適になる場合が多いだろうと訴えています。
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