こんにちは、22日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回り(長期金利)が上昇(=債券価格は下落)し、一時1%を付けました。日銀が国債を大量に買い支える異次元緩和で長期金利は0%あるいはマイナス圏に抑え込まれてきましたが、2013年5月以来およそ11年ぶりの大台を超えました。主要新聞や通信社が報じました。報道によると、長期金利を押し上げたのは日銀が追加で早期の利上げや国債買い入れを減額する金融政策修正に動くと市場で観測が広がったためとしています。
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できることを当たり前にする
金利変動は預貯金や借り入れ、住宅ローン(長期金利に連動するは固定型、短期金利に連動するのが変動型)といった生活によく出てくる金融取引に密接に関わります。金利変動によって利回りや評価額が変わる債券(後述の個人向け国債は評価額変動はなし)はもちろん、株価、為替にも影響が出ます。今後の金利水準がどうなるかは分かりませんが、「無理な借り入れはしない」「リボ払いや高金利ローンに手を出さない」「過度な浪費を避ける」「リスク許容度の範囲内で資産運用する」といったできることを淡々とすることが大切だと思います。
金利上昇に強い個人向け国債変動10
通常の債券は金利が上がれば、評価額(債券価格)が下落します。世界中の債券の大原則です。しかし、個人投資家にしか買えない「金利が上がっても、債券価格が変動しない」という大原則をぶち破っているチート級の債券が世の中には存在します。財務省が毎月発行している個人向け国債です。一定の計算式で連動する市中金利よりもやや利回りは割り引かれていますが、金利変動による債券価格変動が起きない設計となっています。つまり、財務省(つまり日本政府)がデフォルトしない限り、中途解約しても元本割れは起きません。日本政府の信用度はあらゆる金融機関の預貯金よりも一般に高いといわれています。しかも、変動10年(変動10)ならば、半年に一回、長期金利に連動して利回りが変動します。長期金利が上昇すれば、しっかりと利回りが上がります。なお、個人向け国債変動10の利回り計算式は「長期金利×0.66」です。長期金利が1%ならば、変動10の利回りは0.66%です。反対に長期金利が下落した場合は通常の債券で得られる債券価格上昇は起こらず、ただ利回りが下がるだけです。ただし、最低保証金利が年0.05%ですので、長期金利がゼロ金利やマイナス金利になったとしても、金利が得られなくなる心配はありません。全世界株式インデックスファンドの分散投資先候補として、極めて有力だと思います。
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