こんにちは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2023年度第2四半期の運用状況が公開され、収益率はマイナス0.31%で、収益額はマイナス6,832億円でした。2001年度の自主運用開始以降の年平均収益率は3.91%で、累積収益額は126兆6,826億円にまで積み重なっています。なお、運用資産は219兆3,177億円です。9.49%と大きなプラスを記録した第一四半期とは一転、ややマイナスにふれたののの、運用方針と資産配分をおおむねしっかりと守った上で長期・分散・低コストで投資を続け、着実な成果を出していると思います。
長期投資のお手本
GPIFによると、第2四半期の4資産の騰落は国内債券マイナス2.97%、外国債券マイナス0.97%、国内株式プラス2.45%、外国株式マイナス0.27%でした。物価上昇率の高止まりを背景に欧米の中央銀行が利上げを継続し、日銀は長短金利操作(イールド・カーブ・コントロール、YCC)の運用を柔軟化したため、主要国の長期金利が上昇(債券価格は下落)しました。ただ、欧米の長期金利の上昇幅に対し、日本の上昇幅は限定的だったため国内外の長短金利差が拡大して特に米ドルに対し円安が進行しました。このため、外国債券は国内債券に比べ下落率が限定的になりました。外国株式が現地通貨ベースで下落したものの、東証株価指数(TOPIX)は円安の後押しもあり、やや上昇しました。GPIFが負担している管理運用委託手数料は運用資産全体に対し年0.02%程度とされています。世界最安水準とされる米国の低コスト上場投資信託(ETF)のバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の運用管理費(信託報酬)が年0.03%ですので、VTIよりも安いコストで運用しています。長期、分散、低コストを徹底して実現しているGPIFの運用の考え方は長期投資のお手本となり、個人投資家にとっても多くの学びを得られると思います。
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時価総額加重平均型の低コスト全世界株式でOK
GPIFは適切なリスクで長期分散投資をしていく基本的な運用方針に加え、日本の巨大機関投資家として重大な役割も担っていると指摘されています。公言はされていませんが、そうした事情を背景に株式のうち50%を日本株に割いているとみられます。一方、日本の巨大機関投資家でも何でもない個人投資家が日本株式中心の配分をまねる必要は全くないと考えます。株式は時価総額加重平均型の低コスト全世界株インデックスファンド、債券は個人向け国債変動10年(変動10)でいいと思います。シンプルかつ分かりやすい形で、長期、分散、低コスト投資を実現できます。
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